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落語

三国一の落語野郎2013①

花禄、まだまだ

 14日、札幌市民会館に落語三人会を聞きに行く。柳家花綠、柳家喬太郞、林家たい平の3人だ。

 花綠、まだまだだなあ。「笠碁」、すなわち祖父であり師匠の小さんの十八番をやったのだが、ダメだね。左右が切れていないもの。碁敵の性格を、描き分けることができていない。この噺は確実に成熟を必要とする。花綠、まだその域に達していないということだ。

 喬太郞は「紙入れ」。いやあ、実に色っぽいおかみさんを演じていて、感服した。しかし、喬太郞、肥りすぎではないか? そちらが、気になってしまったぜ。

 たい平は「幾代餅」。もともと、天性の明るさをもった噺家なのだから、こういう噺が会うのだよ、たい平くんには。職人の一途さが出ていて、良かったです。

 

三国一の落語野郎2012⑦

さすがだ談春、堂々の歳末ネタ

 道新ホールにて、立川談春独演会を聞く。ことしの春から四季折々、かけてきた高座の大団円。面白い試みであった。春からつきあってきたので、感慨深い。

 前座なしで、いきなり談春登場。5日に急逝した中村勘三郎の思い出をマクラにしながら、「夢金」に入る。

 描写のうまさに唸った。浪人と商家の娘を乗せ、船頭が漕ぐ小舟が隅田川に入るあたり。真冬の夜、雪がしんしんと降っている。真っ暗な空から落ちてくる虫のような雪、雪、雪。一瞬、その情景が目に浮かんだのである。

 この噺は凄惨さと、滑稽さというかばからしさが同居した不思議な構造である。談春、そのコントラストを際立たせ、愉しみながらやっていたように思う。

 二席目は「芝浜」である。一席目のマクラの段階で「あとで『芝浜』やるから」と言うのを聞いたとき、何となく、嫌な感じがした。札幌の客は、年末に「芝浜」をかけておけばいいや、と舐めた考えを抱いているのではと危惧したのである。

 しかし、この日の「芝浜」はオフビートの、ユニークな仕立てのものであった。感心したね。主人公の魚屋の勝を、「変人」としてとらえ直す。その仕掛けによって、「芝浜」はまた、新しい噺になるのだなあ。

 6年前になるか、2006年12月19日、札幌教育文化会館で初めて談春の落語を聞いた。そのときも「芝浜」だった。かみさんが実に愛らしく、「ああ、この噺家はうまいな」と実感した。そのときにこう記している。「よいものを聞かせてもらった。談春にとっても、今回の北海道独演会(昨日は室蘭でやったという)、確実に実になったのではないか。札幌の「芝浜」として語り継がれるものになったのではないか。20年後、さらに素晴らしい「芝浜」を聞かせて欲しい。それまで、生きていたい。そんなことを本気で願う夜であった」と。談春、私の期待に確実に答えてくれている。

 良い噺を聞いた。それが結論である。

三国一の落語野郎2012⑥

さすがは談春、なのだが

 立川談春、年間4高座のうち、「秋」の巻を聴きに行く。道新ホールにて。

 時が流れるのは早いもんだ。もう、秋だものな。何をかけるのか、秋らしいネタなのか、期待していた。

 前座なし。時間通り、ぴったり15時に高座に上がる談春である。AKBの武道館コンサートの話をマクラに振りながら、まずは「南瓜屋」である。典型的な与太郎話であるね。

 マクラがちょいと、くどすぎたかなあ。与太郎は抜群の出来で、会場をどかんどかんとさせていたけどね。

 もう一席は「景清」。めくらの噺なので、なかなか、テレビではかけられない。

 これもうまいよ。目の病で、盲目になっちまった彫り師の伝法な物言いと、その反面で親思いであること、神仏を頼らざるを得ない不安な気持ちを、自在に演じていた。感心した。

 しかし、である。「秋」なのだから、もう少し秋らしい噺をかけてもよかったのでは、というのが率直な感想。でもまあ、この日の札幌も暑かったから、この二つでよかったのかなあ。

 

三国一の落語野郎2012⑤

昇太はやっぱりアナーキー

 道新ホールにて、かみさんと「春風亭昇太独演会」に行く。8月29日午後7時開演。

  昇太、久しぶりだ。一昨年だったか、西の方にある「ちえりあ」ホールで、落語芸術協会系の芸人が集まる会に出たのを観に行ったが、先に出た噺家とネタがかぶっていた。「もうベテランなんだから、しっかりせい」と思ったものだ。

 

 最初に私服姿の昇太が現れ、軽くトーク。この日の札幌は猛暑だったが、東京から来ると涼しいそうだ。

 前座は瀧川鯉ちゃ「桃太郎」。まあまあか。この人、ずいぶん老けて見えるけど、幾つなんだろう、と思わせる風貌が印象に残った。

 続いて、立川生志。「反対車」をかけました。うまい! この人は談志の直弟子だそうです。なかなか、真打ちになれなかった恨み辛みをぶつけていたけど、その下積みが確実な芸を生み出していると思いました。談志の慧眼に驚かされます。

 昇太はまず「二十四孝」。いいねえ。長屋のバカがよく描けている。続いては「宿屋の仇討ち」。こちらも、三バカトリオがよく描けている。

 総じて昇太、バカを演じさせると、とても、うまい。これは本人がバカではできないことだ。昇太、「笑点」のレギュラーになってから、どうもお茶の間向けというか、おとなしくなっちまった印象もあるが、何の。まだまだ、狂気を秘めた、アナーキーな」芸風の噺家であることを証明してくれた高座である。満足。

三国一の落語野郎2012④

地味だけど、うまい噺家だよ

 昨日20日、かみさんとともに、札幌・道新ホールに柳亭市馬の落語を聞きに行く。

 いなせな江戸っ子っぽい風貌だが、大分県豊後大野市出身。小さん門下の51歳である。私より、昇太よりも若いのか・・・。

 最初に札幌出身の弟子・市助が出てきて「狸賽」を途中までやる。その後に登場した市馬、あいさつ、マクラもなしに「狸賽」を最後までやるという趣向が面白かった。

 「狸賽」を落としてから、「片棒」に入る。いいね。この人、耳が良いのか音曲のリズムがとてもよろしいのである。口舌もしっかり。たしかに、本格派の棟梁である。

 中入り後は「鰻の幇間」をかける。これもしっかりした手応えである。幇間が徹底的にやられてしまう、その悲哀もうまく表現している。

 実にこってりした味わい。新しさはないが、これもまた、落語の一派である。地味である。それもまた、一派である。

三国一の落語野郎2012③

談春、何かをつかんだな

 立川談春独演会「夏の巻」である。札幌市中央区、道新ホールにて。

 この手の独演会だと、まずは前座が一席やってから談春が登場するのだが、今回はいきなりの登場である。この前日、小樽でも独演会を打ったのだが、そこで彼は何かを「つかんだ」のではあるまいか。落語がやりたくてやりたくて、仕方なかったのではあるまいか。

 まずは、「たがや」。職人の首が飛ぶオチの、原型とされるものである。職人のくそ度胸とバカな武士達の掛け合いが楽しく、スリリングであった。

 休憩を挟んで、「こんにゃく問答」。マクラも振らずに、いきなりである。これはCDを聞いただけでは絶対にわからない噺。絶妙な間合いで、ドカンドカンと笑いを取っていた。

 続けて、間髪を入れず「紙入れ」に入る。おかみさんが色っぽい。

 いやあ、本当に談春、何かをつかんだようだ。のっている。秋も楽しみである。

 今回も前から3番目という絶妙の位置。途中、聞き覚えのある塩辛声の笑いが聞こえたので横の方を見ると、BBオヤジが大笑いしていた。

 こ

三国一の落語野郎2012②

志の輔、疲れてねえか?

 札幌市民会館に、かみさんと立川志の輔独演会を聴きに行く。志のさん、1年ぶりの札幌か。

 ・・・結論として「何だか疲れてるなあ」といった感じだ。「三方一両損」と「抜け雀」をかけたのだが、「抜け雀」はマクラなし。

 志の輔は名人ものが好きなのか、左甚五郎ものをよくかけるが、私自身「抜け雀」は何回か聴いたぞ。せっかくの機会、なるべく、ネタかぶりは避けてもらいたいものなのだがね。

 ゲストが多すぎる。前座の志の太郞は仕方ないけど、三遊亭全楽までだろう。丸山おさむはいらないって。歌はうまいけどさ。

 高座をおりるときもずいぶんと肩が凝っているようで。聴けば、昨日も東京の1500席の大箱で独演会を開いたとか。働き過ぎなんだよ、志のさん。もう60歳、還暦に近いのだから、配分というものを考えないと。もっと身体と、たまにしか来られない、札幌のファンのことを大事にしてくれ、と言いたいね。

 

三国一の落語野郎2012①

談春の「包丁」、なかなかのもんです

 今年最初の落語は、道新ホールでの立川談春である。談春、今年は札幌で4回やる。そのうちの春の巻である。

 前から3番目。なかなかの位置である。

 最初に演じたのは「黄金の大黒」。にぎやかな長屋噺である。どっかん、どっかんと受けまくっていた。まあ、どもりが出てきたり、与太郎が出てきたりと、本当に賑やかなもんだから、気をつけなければいけないのは「やり過ぎる」ことである。くどくなると、嫌みになってしまうのだ。そこのところが、微妙ではあったが、何とか、「やり遂げた」。

 思うに談春、語り口に独特の暗さがあるから、こういう賑やかな噺には、どこか異和感も漂うのである。しかし、その微妙な落差が、何ともいえぬ滑稽感を醸し出すこともある。そこが、よい。

 続いては「包丁」である。十八番である。師匠の立川談志から「オレの包丁よりうめえ」と言わしめたという噺である。

 さすが、うまいね。新内の師匠をして旦那を食わせている年上の女房が絶妙の色気を醸し出している。談春、こういう人物造形がうまいから、「芝浜」などをやってもうまいんだよな。語り口の色気だ。

 こういう、熟成していく過程にある噺家と同世代を生きる幸せを、われわれは感じるべきなのだろうな。夏、6月の高座も楽しみである。

 

 

 

三国一のお笑い野郎④

頑張れ若手芸人

 かつては札幌厚生年金会館と呼ばれていたニトリ文化ホールに、若手お笑い芸人たちのライブを聞きに行く。出演したのは、登場順に三拍子、響、U字工事、東京03、ナイツ、サンドウイッチマン、ドランクドラゴンの7組だ。

会場はほぼ満杯。若者が多いのかなとも思ったのだが、老若男女を問わない客の入りだ。札幌では、この手のライブが少ないからなあ。

三拍子は、片割れが帯広出身とか。テレビでもあまり見たことのないコンビだが、なかなか手慣れた芸風。注目株だ。

響の女役は本当にデブなんだな。U字工事は元気が良くて気持ちよい。東京03のショートコント「待ち合わせ」は会場をどっと沸かせた。ナイツはもはやベテランの風情さえ漂う。サンドウイッチマンは凄みさえあるステージ。ドランクドラゴンは、鈴木あっての塚地だということがよくわかった。

楽しいライブであった。観客の受けもよく、芸人たちも「札幌はいいなあ」と思ったのではないか。

サンドウイッチマン、ロケ先の大船渡で震災に遭遇。津波が街を遅うところを見てしまったという。「何かを見てしまった」衝撃が未だ冷めやらないようであった。それを何とか、芸の肥やしにしてもらいたいものだと思う。

芸人たちは終演後、ロビーで義援金を呼びかけていた。頑張れ、お笑い芸人たち。君たちが、日本の復興を裏からも支えていくんだ。

三国一のお笑い野郎③

寄席で鍛えられた噺家は違うね、どうも

 昨23日夜、札幌市中央区の道新ホールで開かれた柳亭市馬の独演会に行ってきた。素晴らしい出来だった。やはり、テレビ芸人とは違う。寄席で鍛えられてきた噺家である。感心した。

 大分県出身の49歳。柳家小さん門下に入って30年だってさ。小三治とは兄弟弟子なんだね。東京に勤務していたころ、末広当たりで何回か、聞いたことがあるように思うのだが、それほど記憶には残っていないのだったが、精進したんだろうなあ。

まずは「長屋の花見」。いいねえ、過不足ないよ、くすぐりも。何しろ、声がいいから、花見のにぎやかな気分も醸し出されるというものだ。誰でも知ってる中身を、それでも笑いを取りながら、楽しくやる。やさしいようで難しいことだ。こういうのを、芸という。様子もよろしい。ちょうど、脂ののった大工の棟梁のようだ。

「御神酒徳利」は最高だった。慌て者の番頭とかみさん、主人、旅の宿などで出会う人々。それぞれの人物像が立ち上がる。これぞ、芸である。実に丹精な芸である。

柳家らしい、きちんとした、楷書の芸とでもいうのか。いやあ、感服しました。こういうのを、江戸前の落語って言うんだよ。客席の隙間が、かわいそうだったな。もったいないことをするんじゃありませんよ、まったく。

最初に登場した弟子の市助は弟子入りしてまだ半年。札幌市東区出身の19歳だ。「転失気」をかけたのだが、入門半年の割にはきちんと上下も切れており、口舌もなかなかだった。「がんばれよ」と激励し、「でも小さくまとまっちゃいけないよ」と言っておくよ。

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