書評としての現在2014③
「ひねり」も狙いすぎると・・・
最近はとんと、海外ミステリーを読まなくなってしまった私であるが、「出れば買う」作家のひとりにジェフリー・ディーヴァーがいる。そんな作家の新刊が「シャドウ・ストーカー」である。人気女性カントリー歌手につきまとうストーカーを軸にした、「人間嘘発見器」のキャサリン・ダンスものの第3弾である。
<口上>いかなる嘘も見破る能力をもつ尋問の天才、キャサリン・ダンス捜査官は、休暇で訪れたフレズノで、人気カントリー歌手ケイリー・タウンがストーカーに悩まされていることを知らされる。その男エドウィンはメールアドレスを変えても即座に新たなアドレスを探り出す。数日後のコンサートに、エドウィンはやってくるという。ケイリーらが不安に震えるなか、彼女の側近、ボビーが殺害された。ケイリーのヒット曲の歌詞をなぞるような状況で。そして第二の殺人が―ストーカーが一線を越えたのか?それとも?捜査権もなく銃も持てない状況で、ダンスは殺人者を追うが、事件の背後の陰謀は予想を超えるものだった…。
<双子山の目>何だか、読者を「ひねり」で驚かせることにだけ目が向かっていて、どうにもとっ散らかった印象を残す。だから、読むのにずいぶんと時間がかかってしまった(私自身の加齢もあるけどね)。
確かに二転三転する犯人像は物語をうまく、進めてはいるのだけど、何だか底が浅い。カントリー・ミュージックの素晴らしさと言われても、日本人にはピンと来ないわけだが、そのようなギャップを感じてしまったのであった。
双子山評定:☆☆☆
« 書評としての現在2014② | トップページ | 昼食としての現在2014① »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 三国一の読書野郎2017※番外編(2017.03.04)
- 三国一の読書野郎2017⑩(2017.01.22)
- 三国一の読書野郎2017⑨(2017.01.21)
- 三国一の読書野郎2017⑧(2017.01.15)
- 三国一の読書野郎2017⑦(2017.01.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント