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まだまだ読むぞ2013㉑

うむむむ。ラストが惜しい

 奥田英朗の最新刊「沈黙の町で」は朝日新聞に連載された長編である。リーダビリティーの良い作家だから、ぐいぐいと読ませるのだが、そして、面白いのだが、ラストが「何だかなあ」である。

<口上>中学2年の男子生徒が部室棟の屋上から転落し死亡した。事故? 自殺? それとも他殺なのか……? やがて生徒がいじめを受けていたことが明らかになり、小さな町に波紋がひろがり始める。朝日新聞朝刊連載時から大反響の問題作、ついに単行本化。

<双子山の目>滋賀県・大津市の「いじめ自殺」を想起させる枠組みであるが、もちろん、この小説が書かれた時期の方が早い。作家の先見性を認めるべきか。男子生徒の死が引き起こす、さまざまな波紋を、多面的に描き、ラストに行くに従って深まっていく謎が、最後の最後で・・・・。ネタバレになるから書けないけど、うむむ、やはりラストが惜しい。しかし、ある意味、傑作でもあると認めたい。

双子山評定:☆☆☆★

沈黙の町で

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