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まだまだ読むぞ2013㉗

楽しい外食史

 定食評論家・今柊二の「ファミリーレストラン」を読む。楽しい1冊である。日本における外食の通史であり、ファミレスの現在を考えさせられるのである。

<口上>日本で、「家族」という単位での「外食」が本格的に開始されたのは、明治以降だった。鉄道や海上交通が発達するにつれ、駅弁や駅前食堂、大衆食堂、デパート食堂といったものもまた、発展していった。その後、戦時中の食糧難、戦後のアメリカ洋食の影響などを経て、ファミリーレストランの誕生へとつながっていく。その前史から、1970年代に迎えた黄金期、「食べる場所」から「いる場所」へと変化した1980年代、「ファミリー」の変化とともに変質する1990年代、そして低価格化と専門料理化の流れのなかで進化する現代を、「日常食」研究の第一人者が俯瞰して綴る。楽しい食べ歩きコラム付き。

<双子山の目>外食の歴史は近代化の歴史でもあるようだ。日本で独自に発展した「洋食」は、ファミレスのメーンアイテムとして発展しているが、そのメニューも不況下においては質的変化を余儀なくされる。ファミレスも転換期にあるようだ。

 しかし私は、ほとんどファミレスに入りません。あまり、好きではないのです。幼いころ、親に連れられて入ったデパートの食堂は輝いていた。「こんなに美味いものが世の中にあるのか!」と驚きながら食べていた。そんな衝撃は、すでにファミレスにはないことがわかってしまっているから。それは詮無きことではあるのだがね。

双子山評定:☆☆☆★

ファミリーレストラン 「外食」の近現代史 (光文社新書)

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