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まだまだ読むぞ2013③

恋愛の文学史的考察

 小谷野敦の最新刊は「恋愛の文学史」である。この筆者のものは、出ると必ず買う。その文体が面白く、そのポレミックな姿勢が興味深いのである。

<口上>日本人はどのような恋愛をしてきたのか―。記紀万葉の時代から公家文化、武家文化、町人文化の時代を経て、近代の恋愛結婚至上主義、戦後の純潔教育、性の解放へ。恋愛研究の第一人者である作家・比較文学者が、古今東西の文献を博捜し、古典的名作から戦後の通俗小説、映像作品まで目配りしつつ圧倒的なスケールで描く、比較恋愛思想史の決定版。『“男の恋”の文学史』以来15年におよぶ研究の集大成。

<双子山の芽>かつて、高校の古文の時間に「愛が輸入されたのは明治以降。それまでは『乞う』からきた『恋』しか日本人は知らなかった」などという内容の授業を受けた記憶がある。小谷野はこのような「恋愛輸入論」に真っ向から反論している。新書サイズで万葉から現代までの恋愛思想史(しかも西洋も絡めながら)を描き出すのは無謀とも言えるが、小谷野は諦めない。感心した。

双子山評定:☆☆☆

日本恋愛思想史 - 記紀万葉から現代まで (中公新書)

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