三国一の読書野郎2012※162
真面目な作家だと思う
薬丸岳「刑事のまなざし」。真面目な作家が真面目に取り組んだ、という表現がぴったりだと思う。若い(といっても、いくつになるのか知らないが)ミステリ作家がしのぎを削る中、この作家のような「真面目さ」は時に息苦しくもあり、決してマーケット的な成功も約束するものではない。しかし、このような読み応えを持つ作家は貴重である。
<口上>ぼくにとっては捜査はいつも苦しいものです―通り魔によって幼い娘を植物状態にされた夏目が選んだのは刑事の道だった。虐待された子、ホームレス殺人、非行犯罪。社会の歪みで苦しむ人間たちを温かく、時に厳しく見つめながら真実を探り出す夏目。何度読んでも涙がこぼれる著者真骨頂の連作ミステリ。
<双子山の目>
双子山評定:☆☆☆★
« 三国一のけが野郎2012⑥ | トップページ | 三国一の読書野郎2012※163 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 三国一の読書野郎2017※番外編(2017.03.04)
- 三国一の読書野郎2017⑩(2017.01.22)
- 三国一の読書野郎2017⑨(2017.01.21)
- 三国一の読書野郎2017⑧(2017.01.15)
- 三国一の読書野郎2017⑦(2017.01.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント