三国一の読書野郎2012※96
まあ、要するにエロ小説
最近、老舗文庫でも、いわゆる「エロ小説」が出るようになった。草凪優なんて作家も、その流れの中で重宝されているようだ。新潮文庫から出た「夜より深く」を読んでみた。
<口上>東北のホテルで働く梶谷は、同僚のベルガール・有希子と不倫関係に陥る。密会を重ねるうち、職場の宴会場での情事がバレ、仕事も家庭も失ってしまう。逃避先の沖縄で、束の間、酒と女に溺れる梶谷だが、再出発を誓って故郷東京へと舞い戻った。一軒家を借り上げて駆け込み寺にし、ネットの掲示板で知り合った家出妻たちと究極のハーレムを築き上げるのだが…。オリジナル官能長編。
<双子山の目>絵空事、というか、男の夢を描くのがエロ小説だから、ほとんどのエロ小説を女性は受け入れないだろう。そこに「エロさ」を感じることはないだろう。この小説もまた、男の露骨な性的野望を描くことに先念しているから、底が浅いのだ。真のエロティシズムが醸造されることはないのだ。
とにかく、描写が下品である。オノマトペが品がない。しかし、読まれているのだよなあ。需要はあるんだよなあ。
私は宇能鴻一郎センセイの大ファンである。センセイが、書かなくなってしまって、とても淋しいんです。センセイの小説だって、バカらしかったけど、もっとエロっぽさがあったと、思うんです。
双子山評定:☆★
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