三国一の読書野郎2012※93
永遠と一日
杉山隆男「昭和の特別な一日」は良い本だ。「あの日」が永遠になる。東京がまだ輝いていたころの記憶を、とどめておきたくなる。
<口上>オリンピックがやって来た、あの頃のこと。開会式の空を飛んだもう一人のパイロット秘話、銀座から都電が消えた日ほか、東京の“特別な一日”四つの物語。
<双子山の目>戦後の終わりはやはり、東京オリンピックだったのだと思う。私にも、かすかな記憶がある。1964年10月10日、東京上空に空自の戦闘機が五輪を描いた記憶だ。私より少し上の学年は、映画館に市川崑監督の「東京オリンピック」を観に行かされていた。
杉山は自らが神田神保町育ちで、じいさんが小さな出版社をやっていたらしい。だから、都市の描写が正確であるし、思い入れも強い。ひとつの東京史の断面として読まれるべき一冊である。
双子山評定:☆☆☆☆
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