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2012年5月

三国一の読書野郎2012※94

硬直した精神が騙される源泉か

 現代史家の秦郁彦。かなりの高齢だが、まだ著述活動は盛んだ。新潮新書から出した「陰謀史観」は、歴史の影に黒幕を見る人たちを痛烈に批判して心地よい。

<口上>史実を歪めるのは誰なのか? そのトリックは?  明治維新から、日清・日露戦争、田中義一上奏文、張作霖爆殺、真珠湾爆撃、東京裁判や占領政策、現代の9.11テロまで、あらゆる大場面で囁かれる「陰謀論」を徹底検証。 また、ナチス、コミンテルン、CIA、MI6、KGB、モサドなどの諜報や、ユダヤなどの秘密結社、フリーメーソンと日本の関係も解明する。 現代史を取り巻く「陰謀論」と「秘密組織」の謎に、現代史研究の第一人者が迫る渾身の論考。

双子山評定:☆☆☆★

陰謀史観 (新潮新書)

三国一の昼飯野郎2012※52

「辛さが旨みなのだ」の巻

 何だか、スープカレーモードになって、「イエロー」に行く。札幌市中央区南3条西1丁目、エルムビル1階。つまりスガイ、いや今はゲオディノスというのか、の東裏側である。かつては、ヨンヤさんとよく通ったものだが、1人だとなかなか足が向かない。今年になって、初めてである。

 チキンをオーダー。950円でソフトドリンクも付く。辛さは5番にしてみた。課金されない中では最も辛いのである。

2012053013510000  うむ。なかなかにクリーミーではないか。ココナッツ・ミルクのクリーミーさね。ここ「イエロー」のカレーは、オイリーだったり、レモングラスの風味が勝ったりして、なかなか一定しないんだよね。でも、このクリーミーさはいいな。

 そしてやはり、辛さが効いていると思う。スープカレーもやはり、決め手は辛さだ。ビビって、辛くないものをチョイスしてはダメだ。せっかく、カレーを食べるなら、辛くないと。

 ライスのボリュームもなかなか。チキンレッグを始めとした具もたっぷり。腹一杯になりました。満足です。

双子山評定:☆☆☆★。辛さは、旨みなのである。

三国一の読書野郎2012※93

永遠と一日

 杉山隆男「昭和の特別な一日」は良い本だ。「あの日」が永遠になる。東京がまだ輝いていたころの記憶を、とどめておきたくなる。

<口上>オリンピックがやって来た、あの頃のこと。開会式の空を飛んだもう一人のパイロット秘話、銀座から都電が消えた日ほか、東京の“特別な一日”四つの物語。

<双子山の目>戦後の終わりはやはり、東京オリンピックだったのだと思う。私にも、かすかな記憶がある。1964年10月10日、東京上空に空自の戦闘機が五輪を描いた記憶だ。私より少し上の学年は、映画館に市川崑監督の「東京オリンピック」を観に行かされていた。

 杉山は自らが神田神保町育ちで、じいさんが小さな出版社をやっていたらしい。だから、都市の描写が正確であるし、思い入れも強い。ひとつの東京史の断面として読まれるべき一冊である。

双子山評定:☆☆☆☆

昭和の特別な一日

三国一の美食野郎2012⑬

こういう寿司も悪くない

 さて、札幌に帰る日がやってきた。飛行機の時間は午後3時。ちょっと早めのお昼と言うことで、午前11時少し過ぎにホテルの近くの「すしざんまい 銀座7丁目店」に入った。まだ客の入りは少ない。

2012052711580000

2012052713090001  まずは上にぎりを頼んで、少し腹を膨らませておいてからお好みを頼むというのが、うちのスタイル。

 この「すしざんまい」、マグロを史上最高値で競り落としたりして、話題になったが、さすがにマグロはうまい。いや、ほかのネタも、「この値段」と考えたらかなりの水準だよ。

 「回らない寿司」を「この値段」で食することができる。これは確実に、ひとつの驚きであったのである。寿司チェーン、侮るべからず、である。

三国一の美食野郎2012⑫

友と酌み交わす酒は美味い

 古い友人と、浅草で会食することに。東京都立墨田川高校時代からのつきあいのづかこと、葛飾区立水元中学時代からのつきあいのねせきである。場所は、台東区駒形の、知る人ぞ知る「駒形どぜう」である。

2012052618210000  26日の午後後6時に集合。しかし、15分過ぎても、ねせきはやって来ない。自宅に電話してみると、何と、本人が出た。先に日付を連絡したとき、ずいぶんと酔っ払った雰囲気だったので「危ねえな」と思っていたが、案の定である。「今行くから」ということで、結局、全員がそろうのは8時近くのことになってしまったのだ。大丈夫か、ねせきよ?惚けるのはまだ、早いぞ。

 しかしまあ、友と酌み交わす酒は美味いのである。時を忘れ、話し込んでしまうのである。ドジョウのほろ苦さが、身に染みる年齢になってしまった男たち。時は残酷に、私たちの肉体と精神をむしばんでいく。経年劣化させていく。

 しかし、友よ。生きなければならないのだ、生きなければ。死ぬ時まで、生きなければならないのだ。老いさらばえて、その醜い姿をさらしながらも、生きながらえねばならぬ。

 そのときまで、よろしく、な。

 それにしても、僕たちが遊び、彷徨った下町はすっかり変わってしまったもんだな。

2012052616350001

三国一の美食野郎2012⑪

すごいこってりしたウナギだっ!

 里帰りし、両親とともに晩飯を食する。東京都葛飾区と埼玉県三郷市の境界にある鰻屋「根本」である(埼玉県三郷市戸ヶ崎)。私は初めてなのだが、親はずっと、20年来以上も通っているらしい。実家から歩いたら30分以上かかるので、タクシーで行く。

 ビールを飲みながら、鯉こく、鯉の洗いを食する。メーンのウナギは「鰻重 上」。2800円だ。やはり、値上がりしているらしい。

 ど~ん、てなもんである。意外と早く出てきたので驚いた。どうだい、このボリューム。

 ウナギはとても柔らかい。これだけ、柔らかいウナギは初めてだ。ここの調理法は白焼きせずに蒸すので、身がふんわりになるらしい。そして、こってりしている。こってり&ふんわりのハーモニーが絶妙である。

 たれが濃いのか、真っ黒だが、意外なほどに塩辛くはない。甘さは、感じるけどね。ご飯がどんどん、進む。

 女性にはボリュームがありすぎるのか、母親とうちのカミさんは半分でダウン。いつも残り半分を翌日になってから食べるのが楽しみだそうだ。

 鯉こくも美味かった。鯉の卵なんて初めて食べたよ。

 川魚の力をひしひしと感じさせてもらいました。これだけパワーがある鰻を食べたのは、初めてかもしれない。

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三国一の旅打ち野郎2012②

わがホームタウン、水元へ

 老いた両親の顔をたまには見に行かなければと思い、かみさんと上京する。本当は、ゴールデンウィークのあたりに行こうと思ったのだが、航空券などがバカ高かったので、時期をずらした。

 宿は銀座の銀座日航ホテル。本当は、浅草あたりが良かったのだが、スカイツリー開業の影響だろうね、どこも開いていなかったのだ。

2012052515310000  宿に荷物を置いて、まずは上野の東京国立博物館へ。ボストン美術館から里帰りしている日本美術の至宝を見る。

 もの凄い人出である。「平治物語絵巻」「吉備大臣入唐絵巻」などの絵巻物は、長蛇の列が全く途切れず、見ることができなかった。

 しかし、曽我粛白の「雲龍図」などはたっぷりと見た。平安期の仏画や仏像なども、また。

 これだけの美術品が、幕末・明治に流出してしまったのだよなあ・・・。

 しかし、思う。不景気だ、震災の影響だとはいえ、平日の午後に、これだけの人間が古美術を鑑賞しに博物館にやってくるということは、ある種の、文化の爛熟性を現しているのではないか? 到達点というか、ある意味、たいしたことではないか、と思ったのである。

 そして、金町へ。京成の上野駅から向かう。

2012052516380000  写真は金町駅周辺。ここから歩いて15分ほどで水元になる。ここには、小学校の3年生から、大学2年で家を出るまで住んだ。ホームタウンであるが、最近は変貌著しい。その昔、引っ越してきたころは、夏の夕方にはコウモリが群舞していた。畑がいっぱいで、肥だめもあった。今では、こぎれいなマンションばかりが目に付くが。

 三菱製紙の企業城下町的なところもあったのだが、工場は既に撤退。跡地にはいま、東京理科大のキャンパスが建設中である。

 もう、戻らない、戻れないであろうホームタウン。何だか、鼻の奥がつんとなる。

 

 

三国一の読書野郎2012※92

さすが賢太。対談も読ませる

 「西村賢太対話集」を読む。サービス精神の旺盛なやつだとつくづく、思う。

<口上>私小説への偏愛。創作の舞台裏。女性観。慊い生き方について―。『苦役列車』での芥川賞受賞から1年、先達に心情を吐露した貴重な対話9篇を収録。町田康、島田雅彦と朝吹真理子、高橋三千綱、坪内祐三、石原慎太郎、朝吹真理子、上原善広、坪内祐三、高田文夫の順で収録している。

<双子山の目>朝吹の才能にびびり、慎太郎のおだてにのり、高田文夫のヨイショに喜ぶ。俗なのだが、懸命なのだ。口先だけで、内実が伴わない言葉をついつい、吐いてしまう。それは小説の中の北町貫多と同じ賢太がいるのである。そこに少し、感動してしまった。書くことは恐ろしい。語ることも、また。

双子山評定:☆☆☆☆

三国一の昼飯野郎2012※51

「これはこれでいいのかもしれない」の巻

 狸小路の1丁目にある老舗カレー屋「デリー」に行く。ずいぶんと久しぶりのような気がする。と、いうのも、ここの店はおいしいのだが、いつ行ってもライスが柔らかすぎる気がするのだ。ルーを吸うと、ぐちゃぐちゃになってしまうのだ。

 スコッチエッグ入りのカシミールカレーを頼む。750円である。

2012052313590000  う~む。ルーはうまいよなあ、本当に。染みいるような深みがある。スパイシーで、コクがあって。ほどよい辛さで。スコッチエッグも挽き肉がうまい。

 そして、相変わらずライスは柔らかめだったのだが、これはこれで美味く食したのである。何だか、なじんでいるのである。わが舌が馴れたのであろうかなあ。これはこれでいいんだろうなあ。ライスの柔らかさを、ルーが下支えしているのである。

 ボリュームはいまひとつか。しかし、味的には大満足である。また来よう。

双子山評定:☆☆☆☆。馴れるもんだねえ

三国一の読書野郎2012※91

坪内くん、純文学志向か

 「文藝綺潭」を読む。坪内祐三による、文学に特化した雑文集である。

<口上>文壇ゴシップから幕下力士まで精通している“時代の目利き”が自在に描き綴って“世の中”を透かして見せる名随筆集

<双子山の目>結局は、小説を書きたいのだろうな、坪内は。しかし、その周辺において、衛星のように回っている。「文壇ゴシップ」ってもはや死語だろうに。その、変な腰の入らなさ加減が、坪内祐三のスタイルなんだな、ということがよくわかる。

双子山評定:☆☆☆

文藝奇譚

三国一の昼飯野郎2012※50

「清涼感溢れるそばを見た」の巻

 キャンプの楽しみのひとつに、帰路に地元の店に入って、その土地の味を楽しむことがある。古山キャンプ場の帰りには、長沼の田園地帯にある強烈な腰を持つうどんを楽しむことが多かった。

 しかし今回は、長沼町役場庁舎の近くに、何となく、おいしそうなオーラを発している蕎麦屋を往路に発見していた。「あそこに」ということでカミさんと意見が一致し、温泉「ユンニの湯」を出てから、向かった。

 長沼町銀座北1、「手打ち蕎麦杜若」である。お昼少し前だったが、かなり、混んでいる。私は「田舎そば」(700円)、カミさんは「二色せいろ」(800円)をオーダーする。調理場から、天ぷらが揚がるおいしそうな音が聞こえてきて、非常に魅力的ではあったのだが、今回は見送った。

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 どん。「田舎」というから、太い蕎麦を勝手にイメージしていたが、細いので少々、驚かされた。しかし、その味たるや鮮烈である。

 清涼感が溢れているのである。エッジが効いた、切れ味たっぷりな蕎麦なのである。驚いた。ボリュームも十分だし、つゆも洗練されている。

 つゆの旨さは食後、そば湯を飲んだときにはっきりとわかる。そば湯を飲むことで、蕎麦を食する行為がぐるりと循環するのである。その円が閉じる喜びを実感するのである。

 グッドである。古山に来る喜びが増えた思いだ。

双子山評定:☆☆☆☆。今年、食べた蕎麦の中ではベストかもしれぬ

 

三国一のキャンプ野郎2012①

まずは由仁町・古山へ

 さて、今年もキャンプシーズンの到来である。土日にかけて、空知管内由仁町の古山貯水池キャンプ場に行ってきた。札幌から1時間ちょっと。この近さがいいんだな。近くには温泉もあるしね。

 キャンプ場はほぼ5割程度の入りか。この時期からキャンプをやる人は、かなりの中級クラス以上といってよい。道具にも凝っている。互いに「むむむ、あのグッズは・・・」とちら見する傾向がある。

 ほぼ8か月ぶりにテントを張ったが、順調だった。あいにく、少々、風が強かったが、ほぼ30分以内で設営完了である。これがだんだんと、短くなると、シーズンも深まっていくのだ。 

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 ホント、この日は風が強く、寒かった。どこのテントでも、たき火をやっていた。吐く息だけでなく、鼻息まで白くなるのだから、その寒さがうかがえるだろう。

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 だからこういう夜には、ホット・ウイスキーが似合うのである。しみじみと、身体に浸みてきたのである。寝袋に入ったらバタン・キュー。即座に入眠してしまった。

 翌朝は5時前にトイレに起きたのだが、ウグイスの声のすさまじいこと。「ケキョケキョケキョ」と鳴く中を歩いてトイレに行った。

 そしてその日は、ユンニの湯でひとっ風呂浴びて帰ってきたのである。麩午後2時前に戻れるのだからいいやね。この近さが古山の魅力である。

三国一の昼飯野郎2012※49

「何だか不思議なお店だな」の巻

 ここのところ、しばらく昼飯をコンビニめしで済ませている。何だか、店を選ぶのも面倒くさくなってしまって。それではいけないと思い、処女店を探す。あったぜ。札幌市中央区北2条西3丁目、敷島ビル地下1階「浜の漁師居酒屋 こちらとれたて根室港」だっ!それにしても長い店名だっ!

 以前ここには、函館に本店があるという「うに村上」なる鮮魚中心の店があったが、いつの間にか入れ替わっていた。

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三国一のGP野郎2012②

まだまだ寒いぜ、札幌は

 今季2回目のGP(ガーデンパーティー)をウッドデッキにて挙行する。午後4時スタート。今回の目玉はホーマックにて購入した「岩塩プレート」。肉などをこの上で焼くと、塩味がしみ出してくるというのだが・・・。

2012051417170000 ・・・う~む、それほどでもなかったぞ。ちょいと、期待外れだった。

 それはともかく、この日は寒かった! ビールや白ワインで身体を冷やしたわけではあるまいが、ちょいと寒すぎた。小一時間ほどで、這々の体で、屋内に入ってしまった。消化不良の感がある、第2回GPであった。

三国一の読書野郎2012※90

「年齢」と言ってしまえば、余りに酷か

 かつては、筒井康隆のファンだった。「虚構船団」あたりまで。全集も買った(途中でやめてしまったけど)。

 その後、ニューアカブームの後、文学理論とアカデミズムを茶化した「文学部只野教授」も読んだ。面白かった。しかし、その後はがくっと鮮度が落ちてきているような気がする。

 文庫になった「壊れ方指南」。なぜ、こういう小説を書くのだろう。作家の意図はどこにあるのだろう。いや、筒井ぐらいになると、もはやそんなことを聞くのは野暮なのか。加齢による作品変化が著しいような気もするのだがね。

<口上>タバコの煙で空中浮遊できるようになった男の悲劇。極端に口べたな編集者の驚くべき末路。無類の読書好きが集まって送る夢の生活。奇妙な味わいの短篇から、一瞬で終わるショートショート、とんでもない展開のスラップスティックまで。天才のあくなき実験精神とエンターテインメント精神が融合した全30篇。

<双子山の目>これを「実験精神」と呼んでいいのかね。もはや過去の自己模倣だろ。なんか、初期のころの筒井のショートショート・テイストさえ感じられるのだよ。今更、タバコの煙の空中浮遊でもないだろ。傑作「郵性省」があるじゃないか。

壊れかた指南 (文春文庫)

三国一の読書野郎2012※89

思い入れが強すぎて

 ドストエフスキーの新訳で知られる東京外国語大学長の亀山郁夫氏。文学だけでなく、音楽面でもロシアに強力に魅惑されているらしい。「チャイコフスキーがなぜか好き」を読んでみた。

<口上>チャイコフスキーを筆頭に、ムソルグスキー、ラフマニノフ、ストラヴィンスキー、プロコフィエフ、そしてショスタコーヴィチ―19世紀後半から20世紀にかけて、ロシアの作曲家たちはクラシック音楽の世界で絶対的な地位を占めている。なぜかくも私たちの心を揺さぶるのか?論理を重視したドイツの古典音楽とは対極的に、艱難の歴史と血に染まる現実を前に、ロシア音楽は、幸福を希求する激しくも哀しい感情から生み出されたのである。近年のドストエフスキー・ブームの火つけ役が、死ぬまで聴いていたい“聖なるロシアの旋律”に迫る。

<双子山の目>何だか、思い入れが強すぎて、ついて行けない部分がありますね。音楽の魅力を文章で伝えるというのは、実は、かなり至難の業なのではないかと思う。亀山教授、その試みに失敗しているような気がする。思いだけが先走って、独りよがりの文章になってしまった。だから、よく、わからないのだ、読んでいても。

 アマゾンのレビューを見ても、あまりもの「亀山節」にみなさん、ちょっと引き気味のようだ。

 私が思うに、ロシア音楽のキーワードは「通俗性」だ。しかし、それは聖性とは矛盾しないところが、まさにロシアなのだと思うのだ。

 まあ、ショスタコービッチは「ソ連」という、ロシアとはまた別の視野から見ていかなければならないのだが。

 亀山教授、とにかく、学究肌の人なんだね。音楽聴くにもしゃっちょこばってしまっている。

双子山評定:☆☆☆。もう少し、ガイド的なものを期待したのだが・・・。

チャイコフスキーがなぜか好き (PHP新書)

三国一の読書野郎2012※88

これはいい! 泣かせる物語だ

 中場利一という大阪テイストたっぷりの作家がいる。作品を読むのは今回の「雨の背中」が初めてだが、うむ、なかなか読ませ処がわかっている作家だという印象をもった。いいじゃないか。

<口上>喧嘩の強さと明るさだけが取り柄のチンピラ中年男(466歳・現在無所属)と、笑わない女、29歳。アンバランスな二人が恋をして、彼女のお腹に赤ちゃんが宿った。おめでたいのはおめでたい。でも実はそれどころではない。男は古巣の組に復帰する条件として出された指令を遂行し、匿われている最中なのだ。オレ、おまえ、赤ん坊。三人で、どこまで行こう?読めば喜怒哀楽が全開する!「岸和田少年愚連隊」の著者本領発揮の傑作!

<双子山の目>通俗と言えば通俗の極みの物語だが、そこには「哀しみ」がある。人生というものと対峙する人間の危害がある。そこを、買う。人物造形もしっかり、しているし。

 しかし、たぶん雑誌の連載した連作だと思うのだが、ところどころ、筋が通らなくなっていく部分があるような気もする。連作は最終的に、しっかりと加筆。修正した方がよろしい。

双子山評定:☆☆☆★

雨の背中

三国一の読書野郎2012※87

東京でけなげに生きる動物たち

 都市の生態系というものは確実に変わってしまっていて、かつては感がえられなかった生き物がいま、東京に生息する。川上洋一の「東京 消える生き物 増える生き物」を読むと、その変化にはかなり深刻なものがあるようにも思える。

<口上>いまや東京からは数百種の生物が姿を消そうとしているが、一方で、都会の環境に逞しく適応する動物たちも増えつつある。新宿の高層ビル街でハトを狩るハヤブサ、行動力を駆使して23区に繁殖するハクビシン、排気ガスに強い街路樹を住拠にするアオスジアゲハ…。その実態を知れば、大都会の姿がガラリと変わって見えるだろう。都市に栄える「野生の王国」を描く驚きの報告書。

東京 消える生き物 増える生き物 (メディアファクトリー新書)

三国一のディラン野郎2012①

珍盤を発見!

 というわけで、バーコー宅訪問をしたわけだが、そこで珍しいディランのアルバムを発見したのである。

 その名も「ディラン」。オリジナル曲なし、すべてがカヴァー曲なのである。レコードは1974年リリース。70年、「セルフ・ポートレイト」という半分がカヴァーの曲を出したが、そこに収録されなかった曲を集めて、オーストラリアのレコード会社がディランの許可を得ずに出したとされる珍品である。

 オリジナルがないから、興味もなく、うっちゃっておいたら、いつの間にかLP、CDともに廃盤になっていた。たまに古レコード屋をのぞいてもなく、ほぼ諦めかけていたのである。

 ネットオークションでは1万5千円以上の値段が付いているようだ。

 一も二もなく、借りた。いいぜえ(スギちゃん風に)。早速、ipodクラシックに入れて聴いている。「好きにならずにいられない」「ミスター・ボージャングル」・・・。渋いぜ、ディラン。

 バーコー君、間もなく、返却しますから。それにしても、よく、こんな変なアルバムを買ったね。

ディラン

三国一の旅打ち野郎2012①

十勝は広いな大きいな

 黄金週間中の3日と4日にかけて、十勝・音更にかみさんと行ってきました。かつての会社の同期入社の友人で、昨年、早期リタイアして夫婦で晴耕雨読の生活を送るバーコーのもとを訪れたのです。

2012050310200000

 列車で芽室まで行って、迎えに来てもらうことに。列車内では、やはり、缶ビールがやりたくなる。そして、つまみは札幌駅名物のヤマベ寿司。

 最近の石勝線は、事故に懲りて超安全運転を心がけているようで、必ず、定刻より遅れるようです。ちんたら、走っている車窓から、新得あたりの平野部に、エゾシカが見えました。増えているんだな、やはり。

 芽室駅にて合流。軽自動車で迎えに来てくれました。「名物のそばを」ということで、芽室町北芽室北4線27「縹」に。

2012050313310000

 実にすっきりしたそばです。清涼感があります。大ベテランのおやじは、かつては札幌、新得でも店をやっていました。

 食後、バーコー宅へ。周りは畑だけ。隣家まで1キロ近く。本当に、広々としています。まさに、十勝的風景。

老犬れんくんが迎えてくれました2012050316410000 14歳だそうです。老いると、犬の顔って似てくるのかなあ。2000年に16歳で死んだわが愛犬のボッチくん(メス)にそっくりのれんくんなのでした。

 この日は十勝川温泉で汗を流し、夜はバーコー手造りのBBQハウスにて、さまざまな焼き物を満喫しました。シシャモが意外と、おいしかったです。いい感じで酩酊しました。

 残念だったのは、翌4日が大雨だったこと。天気さえ良ければ、然別湖とも思ったのですが、大雨で河川も氾濫の恐れが。下手すると、弱気な石勝線が止まってしまう懸念もあったので、帯広駅まで送ってもらい、這々の体で一列車はやめて、札幌に戻ったのです。

 しかしまあ、かつては縦の物を横にもしなかったであろうバーコーが、毎日、少しずつでも農作業や木工などをしているとは・・・。農村生活は人を変えるのだな、確実に。

 また、お邪魔します。今度は天候の良からむことを! 奥さんも、ありがとうございました!

三国一の美食野郎2012⑩

直球勝負の寿司かな

 今日5月8日は、結婚記念日と言うことで、かみさんと寿司を食べに行くことに。札幌駅近くの「寿司処 北斎」である。札幌市北区北7条西5丁目、ITMビル1階だ。

 実はこの店、2006年の10月19日に来たことがある。当時の職場の先輩がなやまさんと、同僚のたかかわくんの3人で「寿司研究会」を発足。「中間管理職はカウンターで味わうことができる行きつけの寿司屋を持たなければダメ」というコンセプトから始めた研究会の第1回の探訪対象だったのである。

 カウンターに座り、大将の斉藤重之店長の話をききながら、お好みで寿司を味わった。しかし、それ以降、くることがなかった。おいしかったのに、まあ、縁がなかったと言うことか。

 久しぶりに思い出して、行くことに。予約をしたのだが、テーブル席しか空いていなかった。残念だ。しかし、ふりの客は座れずに断られるほど。繁盛店である。

 2012050818360000

 テーブル席だから、お好みというわけにもいかず、まずはお任せに。まな板皿にどん、と来る。トロ、ホッキ、白身、海老、ツブ、数の子、アワビ、ウニ、イクラ、ホタテに玉。

 最近の寿司の傾向として「一手間かける」というか、あぶったり、塩を振ったりの手間をかけたものを出すところも多いが、ここは直球勝負。素材の良さで勝負しているように思う。

2012050818520000

 当然、しゃりがうまいのだ。ふわっ、と口の中でほぐれる絶妙さは、何に例えたらよいか。

 最後のとどめに、私はコハダを頼んだ。いいね、やはり。握りたてだから、しゃりの温かさが、コハダの酢とぴんたんこ。さらにほどよく、口の中でほぐれ、陶然とさせられた。

 やはり、カウンターで食べたかった。おいしかったけどね。よりよく、楽しむには、やはりカウンターだよな。

2012050819170000

三国一の昼飯野郎2012※48

「ちょっとなあ」の巻

 札幌地下街オーロラタウンに昔からある飲食店といえば、ビアホールの「ライオン」、喫茶店「ナガサワ」、カフェレストランぽい「ucc cafe plaza」である。このうち、「ナガサワ」は既にない。コンビニになってしまったのである。それも趨勢なのかもしれないが・・・。

 喫茶店に入る習慣がないから、「ucc」に入るのは初めてだ。ポスターに掲げられていた「カツカレー」がずいぶんと、おいしそうだったのだ。サラダ、コーヒー付きで980円。ランチ相場からすると、ちょっと高めだ。

2012050714080001  まず、出てくるまでが遅いのにムッとする。そして、ようやく出てきたのはいいが、ルウとライスが冷たいのはどういうことだ?

 カツは熱いんだよ。ルウとライス、保温していなかったのか? ボリューム感もないし、ポスターとは大違いのものであった。

 ちょっと、基本をおろそかにしているのではと思う。残念!

双子山評定:☆★。☆は食後のコーヒーの分。さすがに、コーヒーは美味かった

三国一のGP野郎2012①

まずは地味にいきましょう

 さて、季節も良くなってきたので、GP(ガーデン・パーティー)である。今季最初のGPは、大型連休最終日のこの日にした。

 夫婦ふたりだけなので、地味に七輪を使って、地味に肉を焼く。油揚を焼く。ホッキをバター焼きにする。ビールを飲み、白ワインを開ける。地味である。

2012050614020000

 ようやく、ウグイスが鳴き始めた。毎年、鳴き始めの彼らは、へたくそな鳴き声を聞かせてくれるのだが、今年は何だか、うまいような気がする。

 庭の桜も、いつの間にか満開になっていた。この桜も老木なので、以前に比べると、花の数も少なくなり、色も褪せてきた。仕方のないことだけどな。

2012050614040000  しかし、この年齢になると、あと何回、花見を楽しめるのかという気持ちになってくるよな、実際の話。

三国一の昼飯野郎2012※47

「なかなか、おつなもん」の巻

 大型連休も残すところわずかなのだが、いかんせん、天気が悪い。そこで、かみさんと車で、買い物のついでにうどんを食べに行ったのである。

 かつて住んでいたところに近い「丸亀製麺」だ。札幌市中央区南16条西19丁目。私は「明太釜たまうどん並」を頼む。380円。安いよな。かみさんは、おろしぶっかけに、かき揚げまで頼んでいたが、食べられるのか、このボリューム?

2012050514520000  店内は、老若男女でけっこう、混んでいた。お手軽だもんな。連休の合間の昼下がり、ちょっと食べに行くというパターンか。

 しかし、うどんの腰はなかなかだぞ。ツユのあんばいもいいし、全体的ボリュームも十二分。大盛りを頼めば、しっかりした昼飯に耐えられるはずだ。CP(コスト・パフォーマンス)的にも、味的にも合格!

 双子山評定:☆☆☆☆。案の定、かみさんはかき揚げをもてあましていた。

 

三国一の読書野郎2012※86

スクープを追う虚しさ

 特ダネを追う新聞記者たちの姿を描いた堂場瞬一の「虚報」を読む。

<口上>大学教授のサイトがきっかけで発生した「ビニール袋集団自殺」事件を、やり手キャップの市川と担当する社会部の新聞記者の長妻は、たびたび他社に出し抜かれ、追い詰められていくが、やがて独自の取材で起死回生のスクープを放つ…。生き馬の目を抜く報道の最前線を活写した怒涛のエンターテインメント長編。

虚報 (文春文庫)

三国一の読書野郎2012※85

ギリシャとは何かがよくわかる

 政情不安定なギリシャ。ヨーロッパの不安を醸成しているギリシャ。この国の近代化から現在までを描く通史「物語 近現代ギリシャの歴史」はすこぶる付きに面白い。著者は村田奈々子。ここまでわかりやすく、面白く通史を書けることは才能である。

<口上>ヨーロッパ文明揺籃の地である古代ギリシャの輝きは、神話の世界そのままに、人類史の栄光として今も憧憬の的であり続けている。一方で現在のギリシャは、経済危機にあえぐバルカンの一小国であり、EUの劣等生だ。オスマン帝国からの独立後、ギリシャ国民は、偉大すぎる過去に囚われると同時に、列強の思惑に翻弄されてきた。この“辺境の地”の数奇な歴史を掘り起こすことで、彼の国の今が浮かび上がる。

双子山評定:☆☆☆☆。キーワードは「偉大すぎる過去」

物語 近現代ギリシャの歴史 - 独立戦争からユーロ危機まで (中公新書)

三国一の読書野郎2012※84

タイムスリップは可能か?

 山本甲士の「戻る男」はタイムスリップをミステリ仕掛けに描いた長編である。取り組みとしては、なかなか、ユニークであるが、オチはまあ、こんなものかなという程度であった。

<口上>一発屋の作家・新居航生に突然届いた、タイムスリップの案内状。学生時代にいじめられっ子だったこと、女にこっぴどく振られたことなど、やり直したい過去がある航生は、詐欺だと知りながらも、申し込むことに…。異色タイムスリップ小説。

戻る男 (中公文庫)

三国一の読書野郎2012※83

本当の「真実」はどこにあるのか?

 高田昌幸著「真実」を読む。

 圧倒的に面白い。「読ませる力」は確かなものである。

 そして、考えさせられる。多くを語らなければならないと思うが、語れない。著者は、「真実」ゆえにすべてが「善」であり、「正」であるという立場にある。しかし、本当にそうか? 

<口上>甲84号証―。北海道警察の元大幹部が裁判所に提出したA4判で400ページ近くもある膨大なその証拠文書には、裏金報道をきっかけに厳しく対立した北海道警察との関係修復を図ろうとする北海道新聞社の幹部らの「秘密交渉」の一部始終が詳細に書き記されていた。

真実―新聞が警察に跪いた日

三国一のipod野郎①

いつ、聴くんだよ?

 もう5年ほども前に買ったipodnanoの調子が悪いので、えいやっとipodクラシックに買い換えた。20500円なり。

 凄いのはこの機種、160GBだぜ。しこしこしこしこ、CDを取り込んで、現在は2200曲ばかり入っている。使用しているのは17・4GB。このペースで行くと、1万9000曲ばかり入ることになるが、おいおい、ちょっと待て。そんな曲数をいつ、聴くんだよ? 人生は短いぞ。

 でもまあ、とりあえず、ディランやビートルズ、ブルーズを聴きながら、通勤する毎日なのです。

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