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三国一の読書野郎2012※68

過ぎ去りし「ぴあ」の時代

 情報誌「ぴあ」。私が学生のころは、みんなが持っていたと言っても過言ではなかった。「ぴあ」を片手に映画へ。それが学生のスタイルであった。しかし、そんな「ぴあ」も休刊してしまった。確かに、ひとつの時代の終わりの象徴であるような気もする。

<口上>1971年、中央大学の3年生だった矢内廣とその仲間たちは自分たちが欲しい情報が載った雑誌を自分たち自身で作ろうと考えた。そして1972年7月、安アパートから手探りで創刊された日本初の情報誌『ぴあ』は、やがて誰もが知る50万部雑誌へと成長していく。映画専門出版社の社員としてひとつの雑誌の誕生から終焉までを目撃してきた筆者が綿密な関係者取材によって綴る渾身の「ぴあ年代記」。

<双子山の目>当時は、批評性なき雑誌、情報のみの雑誌に対して冷たい視線があったはず。私もその一人だった。しかし、買っていたんだよなあ、批判しながらも。一種学生のベンチャービジネスのような側面もあったわけだが、チケット事業の展開やフィルムフェスなど、だんだんと肥大化していった「ぴあ」には同時代的につきあっていったんだなあと、今になっては思う。

 しかし、著者は「ぴあ」に極めて近い距離にいただけあって、関係者の肉声には肉薄する一方で、内輪びいき的なものを感じさせる面もある。もう少し、批判的に「ぴあ」を評する視点も、確実にあるはずなのに。

双子山評定:☆☆☆。しかし、確実に活字メディアは衰退したいくのだな。「ぴあ」が休刊するなんて、微塵も思わなかった。

キネ旬総研エンタメ叢書 『ぴあ』の時代

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