三国一の読書野郎2012※53
ゆるい時代小説があってもいいか
江戸を舞台にした小説は数限りなくあり、そこそこのファンがいるから、ますます量産されていくという循環構造の中にある。一種の粗製濫造の感がなきにしもあらずである。芦川淳一「包丁浪人」は料理が得意な旗本の三男が活躍するという仕掛けだが、何となく、既知感がある小説だ。ご都合主義的展開も、緩い。
<口上>旗本の三男から一転、一介の浪人となった刀根新三郎。長屋の連中からも慕われ、侍には珍しく料理の腕もある新三郎のところへ、さまざまな人間が相談にくる。奉公先の金子を盗んだとされる手代、仇討ちの武士…。持ち込まれる難題を料理と剣で見事に解決。河豚、湯奴、蕎麦、鴨鍋など垂涎の料理が満載。風情あり、情あり、そして食欲をそそる新シリーズ第1弾。
双子山評定:☆☆★。ゆるさもまた魅力なり
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