三国一の読書野郎2012※62
とどめの一発。参りました
粘膜シリーズのとどめ、「粘膜兄弟」を読破する。サイコーです。むちゃくちゃです。ノンストップ、ブレーキのぶっ壊れたダンプカーのように爆走する物語世界が、そこにあります。
<口上>ある地方の町外れに住む双子の兄弟、須川磨太吉と矢太吉。戦時下の不穏な空気が漂う中、二人は自力で生計を立てていた。二人には同じ好きな女がいた。駅前のカフェーで働くゆず子である。美人で愛嬌があり、言い寄る男も多かった。二人もふられ続けだったが、ある日、なぜかゆず子は食事を申し出てきた。二人は狂喜してそれを受け入れた。だが、この出来事は凄惨な運命の幕開けだった…。待望の「粘膜」シリーズ第3弾。
<双子山の目>趣味の悪い、グロイ小説だ。「ウゲッ」となる人も多いはずだ。 しかし、それがどうした。ぐいぐいと、力業で読ませていく。読者の首根っこを捕まえて、本に向かわせる。恐るべきエネルギーを秘めた小説である。
兄弟の田舎暮らしから書き起こし、やヒロインゆず子との出会い、さらに徴兵されて向かった戦地での出来事など、ショーロホフの「人間の運命」ばりの大河小説である。構成力も優れているよ、この作家は。
いずれにせよ、驚いた。夢中になって粘膜シリーズを読ませていただきました。これも読書の喜びだね。
双子山評定:☆☆☆☆。まあ、この世界観でどこまでやっていくのか、みせてもらおう。
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