三国一の読書野郎2012※46
グロテスクな世界。しかしどこか惹かれる
ホラー作家とされる平山夢明の「或るろくでなしの死」を読む。「死」にちなんだ短篇を集めている。どれもこれも、グロテスクな世界を描いている。生理的な不快感を伴う世界である。しかし、この異形の世界に惹かれる自分がいることに、読後気づくのである。
<口上>殺し屋の「俺」は、仕事の現場を小学生のサキに目撃される。「俺」を怖がるふうもなく、逆に自分の云うことを聞くよう脅迫してくるサキ。だが彼女は「俺」にねだったハムスターをしばらく可愛がった後、唐突に石で頭を打ち砕いてしまう。真っ赤に目を腫らしながら…。こうして、殺し屋と少女の不思議な関係がはじまった―。(表題作より)ほか「或るはぐれ者の死」「或るごくつぶしの死」「或る英雄の死」「或るからっぽの死」など粒選りの7編を収録。
« 三国一の読書野郎2012※45 | トップページ | 三国一の読書野郎2012※47 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 三国一の読書野郎2017※番外編(2017.03.04)
- 三国一の読書野郎2017⑩(2017.01.22)
- 三国一の読書野郎2017⑨(2017.01.21)
- 三国一の読書野郎2017⑧(2017.01.15)
- 三国一の読書野郎2017⑦(2017.01.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント