三国一の読書野郎2012※47
「向こう側の人々」の実像
殺人実録と言えば佐木隆三である。その佐木が、作家生活を振り返りながら、実際に取材などでコンタクトした殺人者たちの表情に迫るのが「わたしが出会った殺人者たち」である。迫力が違うね。本物の殺人者というのは。頭の中でこねあげたものではない、本当に殺したものだけがもつ、異様なオーラがあるように思うのだ。
<口上>文学とは、人間という不可思議な生き物の正体に、どこまで迫れるかだ――。幾多の殺人犯に取材を重ねてきた犯罪小説の先駆者が、古希を越えた今、四十数年にわたる交流を回顧する。拘置所で大粒の涙を見せた無期懲役囚、「自分を小説に書いてくれ」と資料を寄越した家族殺しの知能犯、著者が喪主を務め見送った前科十犯……。事件の裏で繰り広げられていた人間模様、甦る18人の息遣い。
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