三国一の読書野郎2012※33
評判ほどではないような・・・
山田詠美の「ジェントルマン」を読む。いろいろな書評で、絶賛されているが、それほどのものか?
<口上>眉目秀麗、文武両道、才覚溢れるジェントルマン。その正体―紛うことなき、犯罪者。誰もが羨む美貌と優しさを兼ね備えた青年・漱太郎。その姿をどこか冷ややかに見つめていた同級生の夢生だったが、ある嵐の日、漱太郎の美しくも残酷な本性を目撃してしまう。それは、紳士の姿に隠された、恐ろしき犯罪者の貌だった―。その背徳にすっかり魅せられてしまった夢生は、以来、漱太郎が犯す秘められた罪を知るただひとりの存在として、彼を愛し守り抜くと誓うのだが…。比類なき愛と哀しみに彩られた、驚愕のピカレスク長篇小説。
<双子山の目>要するに、先が読めてしまう小説なのだ。驚きがない。意外性がない。漱太郞の美しさ、才覚も底が浅い。なぜ、多くの人々が犯罪者である漱太郞に惹かれてしまうのかという、根本的なところが描き込み不足だから、底が浅いのだ。
悪を、究極の悪を描くことは作家の義務であると私は思う。その意味で、山田詠美は頑張ったとは思うが、まだ、まだ、突き詰められていないのである。残念だが。
双子山評定:☆☆★。結論として、凡庸である
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