三国一の読書野郎2012⑫
ちょいと期待外れ
トリッキーなミステリを書く作家として知られる柳広司の最新作「怪談」を読了。ご存知、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の「怪談」にインスパイアされた短編「雪おんな」「ろくろ首」「むじな」「食人鬼」「鏡と鐘」「耳なし芳一」を収める。
「ジョーカー・ゲーム」で見せた切れ味はいずこ、というのが正直な感想だ。もっと鮮やかなロジックを駆使してオチに至るのが、柳の身上だったはずなのに、どうも初めから鬼面人を驚かすの風味が強い。
怪談はブームなのかもしれない。しかし、どれも、ぴりっとしていない。都市伝説に毛が生えたような怪談しか、書かれていないのではないか。現代によみがえる怪談は、テクノロジーは別にして、もっと本質的な人間存在の根源に至る恐怖を記さないとだめなのではないか。
そんな、気がした。
双子山評定:☆☆☆。薄味すぎますね
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