三国一の読書野郎※284
イタリア農民の貧しさを知る
「パスタでたどるイタリア史」を読む。著者の池上俊一は西洋中世史専攻の東大教授。岩波ジュニア新書は、高校生が対象なのだが、専門家がわかりやすさを基調に執筆しているので、本家の岩波新書より面白いくらいである。
今でこそ「イタリア=パスタ」という方程式が成り立つが、イタリア農民は貧しく、ようやく日常的にパスタが食べられるようになったのは19世紀になってからだそうだ。しかし、パスタはイタリアの各地域に根付き、それぞれ独自の発展を遂げた。その成り立ちが詳述され、楽しく読める。「
<口上>パスタを食べることでイタリア人はイタリア人であることを自覚する」―。地域色の強いイタリアで、人々の心を結ぶ力をもつパスタ。この国民食は、いつ、どのように成立したのでしょう。古代ローマのパスタの原型から、アラブ人が伝えた乾燥パスタ、大航海時代の舶来種トマト、国家統一に一役買った料理書まで。パスタをたどると、イタリアの歴史が見えてきます。
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