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三国一の読書野郎※288

すごい才能だ

 安藤モモ子の小説「0・5ミリ」を読んでみた。実に、面白い小説に仕上がっているのである。才能だな、と感心した。ぐいぐい、読ませるのである。たいしたもんだ。

 ところで、安藤モモ子って誰だ? と思って調べてみたら、奥田瑛二、安藤和津の娘かよ!奥付の経歴にはロンドン大学芸術学部を次席卒業(次席というのが微妙だね)とある。主に、映像畑で活躍しているようだが、この小説のクオリティーは半端じゃないぞ。人物造形が実に見事である。う~む、世の中にはいろいろな才能があるもんだ。翻って、自らを省みよう。

<口上>肉親もなく、流産をし、一生子供を産めなくなったサワは、介護ヘルパーとして老人とかかわることで、孤独を埋めようとしていた。「おじいちゃんと一緒に寝てあげて欲しいの」。派遣先の家族からの頼みごとを断れず、老人と添い寝をすることになったサワは、その夜思いがけない事件に巻き込まれ、職を失う。無一文になった彼女が日々の生活を営むために取った行動。それは、町で見知らぬ老人に声をかけ、無理やり世話をし、同居することだった。

0.5ミリ

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