三国一の読書野郎※253
今野敏、快調なり
最近好調の今野敏(三笠出身)の「任侠病院」を読了。警察小説とは異なる、今野の魅力を引き出しているのではないか。なかなか、楽しめる。
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任侠病院 著者:今野 敏 <口上>日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、東京下町で長年ちっぽけな所帯を持っている。堅気に迷惑をかけない正統派ヤクザであったが、地元新住民の間から暴力団追放運動が起こってきた。そんなおり、組長の阿岐本雄蔵が、潰れかけた病院の監事となって再建を引き受けることになった。暗い雰囲気の院内、出入り業者のバックには関西大物組織の影もある。再建先と地元、難題を二つ抱え込んだ阿岐本組。病院の理事もさせられた日村は、組の最大の危機を乗り切れるのか。 <双子山評定>「暴力団員は人に非ず」の風潮の中、堂々とこのシリーズを出し続ける今野敏、男である。まあ、この書の中にもあるが、「ヤクザと暴力団は違うんだよ」というわけだが。 まあ、小説だから、とんとん拍子に進む病院改革に「そんなわけが」と突っ込んでも仕方ない。しかし阿岐本組長の男気が、何とも、カッコいい。代貸や若い衆の造形も面白い。 これまでに阿岐本組は出版社、学園を建て直してきた実績がある。だからこれはシリーズ最新作なのだが、不思議なことにこの本のどこにも、それが触れられていない。実業之日本社、この本の売り出しに本腰を入れていないように思えるのだが、考え過ぎか? 当局からの圧力でもあったのか? ちゃんと売ってやれよ、実業之日本社。 →☆☆☆★ |
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