三国一の読書野郎※241
挑発的な音楽評
許光俊は慶応大学の教授らしいのだが、彼の挑発的な音楽評論によって私は21世紀初頭、あらためてクラシック音楽を聴きなおしてみた。最新刊「世界最高のピアニスト」もまた、いつもながらの挑発が横溢しており、楽しめた。
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世界最高のピアニスト (光文社新書) 著者:許 光俊 <口上>ピアノは、誰が弾いても同じ音が出る?ピアノを習っていたから、曲や演奏のことはよくわかる?―それは大きな勘違い。天才たちの音は時に常識を超え、聴く者を惑わせ、心を動かす。世界最高のピアニストたちの、どこを聴くか。どこがすごいか。技術論や奏法の説明は一切無し。ただ音に耳を澄ませ、感じ、悦び、楽しむためのクラシック評論。20世紀以降の名ピアニストたちの演奏の、一番おいしいところ、おもしろいところを取り上げる。彼らの名演CDリストつき。 <双子山評定>同じピアニストなのに、どこか、どう違うのか。常人にははかりしれない苦悩を抱えながら、自己表出をしなければ生きていけない人種を芸術家とするなら、それはやはり、精神性の問題にしか行きつかないのである。しかし、たとえば、私はブレンデルなんかいいなあ、と思うのだが、許は「美的感覚が決定的に欠けている」と評する。また、ロシア系のピアニストに対しても、概して評価が低いようだ。 まあ、そんなものかね、と思いつつ、この書に挙げられた「名演」とされるCDを聴きたくなる。明日あたり、タワレコで、クラシックCDを大人買いしそうで怖いぜ。 ⇒☆☆☆★ <> |
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