最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 三国一の読書野郎※223 | トップページ | 三国一の読書野郎※225 »

三国一の読書野郎※224

馳星周のこの路線は正しい

 馳星周の最新作「光あれ」は意欲作だと思う。過剰な暴力性を排し、真面目に、物語と向かいあっている。この路線は正しいと思う。いつまでも、「ハードボイルド」に拘泥しているべきではない。

光あれ Book 光あれ

著者:馳 星周
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

<口上>おれたち、なんでこんな眠たい田舎町に生まれたんやろうな。原発がなければ成り立たない街。ここで男は育ち、仕事をし家庭を持った―。閉塞感に押しつぶされるこの街で、やるせなさを抱きつつ男は生きる。

<双子山評定>舞台は福井県敦賀市である。2009年からことし3月まで、「オール読物」に断続的に掲載された5編の連作である。敦賀に生まれ、今は原発のガードマンをしている相原徹の目から、原発に頼ってきた街が浮かれ、砕け、死んでいくさまを描き出す。

3・11以前から原発のある街に目を付けた馳の直観力は何なのか。

未来が見えない、閉塞感で充満している故郷。一番やってはいけないことをしてしまう愚かな人間たち。その行き場のないやるせなさを描き出すことに成功している。そして、覚悟を決め、郷土で生き抜くことを決意する週末に、かすかなる光をみる。

人はみな「光あれ」と願っている。絶望的な願いを願っているのである。

⇒☆☆☆☆

« 三国一の読書野郎※223 | トップページ | 三国一の読書野郎※225 »

読書2011」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 三国一の読書野郎※224:

« 三国一の読書野郎※223 | トップページ | 三国一の読書野郎※225 »

2022年3月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31