三国一の読書野郎※221
そんなに怖くないし
「怪談」を好む人は多く、また都市伝説を好む人も多いので、書店に行くと「百物語」だとか、「本当に怖いなんたらかんたら」といった本がたくさんある。私も、嫌いな方ではないので、たまにそんな本に目を通すが、「本当に怖い」本に出会ったことは、まだ、ない。「実録怪談集」と銘打たれた、「百物語 第十夜」なるものを読んでみたがこれもまた、然り。
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百物語 第10夜―実録怪談集 (ハルキ・ホラー文庫 ひ 2-10) 著者:平谷 美樹,岡本 美月 <双子山評定>要するに、怪異現象、超常現象を信じる、信じないの問題ではなく、「語り」の問題なのではないか。怪談はもはや定型化しており、その文法内でしか語られていない。だから、凡庸化してしまっているのだ。 さらには、現実の方がよほど恐ろしいのだ。「誰でよかった」殺人者が潜む現代社会の闇の方が、怪異が隠れる闇より深くなってしまっている現状があるのだ。 だから、怪談本を好むというのは、一種の現実逃避なのかもしれぬ。 ⇒☆☆ |
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