三国一の読書野郎※202
怖い話ってなんだろね
阿刀田高がセレクトしたという怪談集「リアル怪談」を読む。一般市民から寄せられた「奇妙な話」をまとめたものだが、結論的には「怖くなかった」ね。
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リアル怪談―寄せられた「体験」奇妙にこわい話ベストセレクション (光文社文庫) 著者:阿刀田 高 <口上>真夜中のマンションのエレベーター、観客が独りきりの映画館、さびれた京都のホテル、ある有名な幽霊トンネル…。世にも不思議な体験をした人から編集部に寄せられた「奇妙にこわい話」。 <双子山評定>すべてが実話だとは思わないが、まあ、それはそれでよい。 しかし、思うのである。本当に怖い怪談とは何なのだろうか。 怖いもの、それは異物であり、これまで経験したことのない経験である。日常が瞬間にして非日常に変わるときである。 何気なく流れていた時間が「異物」の侵入によって微分され、それまでとは全く局面の異なる相に直面させられる。 それが恐怖か。 ならば、いつもの通りに正月に雑煮を食ったら、餅をのどに詰まらせて死んでしまう老人こそ恐怖の最前線にいるわけである。その例としては、台風が来たからと裏の川の様子を見に行って転落死する人でもいいが。 もしくは、親しい人の目に突然狂気が宿っていたことに気づいたときとか。 絶叫よりも静寂が怖いね。この年齢になると。 ⇒☆☆
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