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三国一の読書野郎※185

うむ。なかなかに刺激的な本だ

 落語好きのコラムニスト、堀井憲一郎の「いつだって大変な時代」を読む。かなり刺激的なエッセーである。いま、誰もが「大変な時代だなあ」と思っている。しかし、ホリイは「本当に大変なのは、われわれのアタマの方」と喝破している。

いつだって大変な時代 (講談社現代新書) Book いつだって大変な時代 (講談社現代新書)

著者:堀井 憲一郎
販売元:講談社
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<口上>私たちはなぜ、いつも「大変!大変!」と言っているのか? もしかしたら、大変なのは、経済や社会や時代ではなく、
そういうふうにしか考えられない私たちの頭のほうかもしれない。
科学への無邪気な信仰、個性尊重という錯覚、独創的な名前の子の増殖、まだまだ世界は発展するという思い込み…。私たちの奇妙な固定観念を考え直す。

<双子山評定>ホリイと私は同じ1958年生まれだから、実によくわかるよ。この時代に向ける苛立ちと諦めとが。

そう、「無縁社会」は時代が便利になってしまった結果だ。みんな「有縁社会」のことを「封建的」として、打破しようとしてきたのだから。死ぬときは、どうっちみち、ひとりなんだ、誰だって。

科学を信じてると言ったところで、その仕組みについてはまったくブラックボックスなのが現実だ。だから、科学に対してはいつもどこか、他人行儀に接するしかない。

政府は私たちの反映だ。それを忘れて「バカだ」なんだと言っているのも、どこか、空しい。

愚者の道を選ぶと言うこと。その、覚悟。それこそが「ふつうの時代」を生きる者の心得なのだ。

私たちは「現在を生きている」としか言えない。その時代を相対化することにより、生きやすくなるのなら、そうしよう。

もうこれ以上、経済成長なんてないんだ。そう考えて、楽に生きよう。

いろいろ、示唆に富むホリイの新境地。やはり、落語を聞くとためになる。

→☆☆☆☆

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