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三国一の読書野郎※164

「小品」ですね

 石田千という作家も初めて読む。「あめりかむら」(「新潮」2月号)である。エッセイではかなり知られた人らしい。私のアンテナも、最近は、ずいぶんさび付いている。

新潮 2011年 02月号 [雑誌]

病気の再発を不安がる女性が主人公。学生時代から調子よく世渡りしてきた男友達が電車に飛び込み自殺したことも、彼女の不安を増幅する。大阪に旅行して気分転換を図るが、不安の発作に襲われる。ふと入った飲食店のおばさんに親切にされたことをきかけに、かすかな希望の光が灯る。

神経衰弱的な、なんともやりきれない小説家と思ったら、途中でほわっとした感じで明るくなる。その辺がちょっと不思議ではあるが、読後感は「スケッチだな」ということ。もしくは「「小品」ということだ。

自殺した男友達との関係性や、病への不安についても、探求は中途半端なところにとどまっていて、読んでいてこちらが苛々してきた。それゆえの「小品」感なのだ。

小品なら小品でいいのだけども、こういう作品が芥川賞の候補になるんだということが、芥川賞そのものの「小粒感」を醸し出す。

→☆☆

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