三国一の読書野郎※159
うまいぞ奥田英朗
家族の何気ない、小さな機微を描くのがうまい奥田英朗。独身なのに、なぜ? と思う。大きなお世話だろうがな。そんな奥田の最新作は「我が家の問題」。まさに奥田の得意技、ど真ん中のストライクである。
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我が家の問題 著者:奥田 英朗 <口上>平成の家族小説シリーズ第2弾!完璧すぎる妻のおかげで帰宅拒否症になった夫。両親が離婚するらしいと気づいてしまった娘。里帰りのしきたりに戸惑う新婚夫婦。誰の家にもきっとある、ささやかだけれど悩ましい6つのドラマ。 <双子山評定>奥田英朗は「うまさ」をそれほど意識しない作家なのだろうと思う。そこが、浅田次郎や重松清と異なるところだ。このネタを、どう処理するかー。言葉は悪いかも知れないが、その「目先」に捕らわれているから、逆に下手な策を弄することがない。だから、くさくない。 どの短編も、暗くない。家庭に問題があっても、何とか、やっていく。そこに、希望がある。会社でバカにされている夫、忙しすぎてUFOを目にしてしまう夫、金持ちゆえに近所づきあいができない妻。それぞれの悩みを昇華していくのは家族の明るさである。 里帰りのしきたりに戸惑う新婚夫婦は、札幌と名古屋を行き交う。それぞれの土地の特色が出ていて、面白い短編なのだが、札幌の方言がキツイ。こんな言葉ではしゃべらんて。 →☆☆☆★ |
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