最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 三国一の昼飯野郎※93 | トップページ | 三国一の読書野郎※162 »

三国一の読書野郎※161

これではダメだ

 ここからはしばらく、14日に選考会があった第145回芥川賞の候補作について論じる(本谷有希子「ぬるい毒」は既述)。

 まずは現役北大生として話題となった水原涼「甘露」(「文學界」6月号)。

文学界 2011年 06月号 [雑誌]

作家を志すまだ21歳の青年に冷たい言葉はかけたくないが、これは、ダメだ。

もったいぶった文体、中上健次を意識した「土着性」などなど、道具立てばかり凝っているが、中味は空虚である。「文学以前」の作品である。嫌悪感さえ募った。

近親相姦、動物虐待などというテーマも軽く扱いすぎる。子どもが刃物を弄ぶような。こういうテーマは慎重に、慎重に。おもちゃじゃないんだから。

しかしまあ、いわゆる「文壇政治」の犠牲になったのではないか。文藝春秋主催の文学賞に「文學界」から1作もノミネートされないのはまずい、という判断で。そうだったら、水原くん、かわいそうだね。

次作に期待するしかないが、かなりの努力が強いられるだろう。

→★

« 三国一の昼飯野郎※93 | トップページ | 三国一の読書野郎※162 »

読書2011」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 三国一の読書野郎※161:

« 三国一の昼飯野郎※93 | トップページ | 三国一の読書野郎※162 »

2022年3月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31