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三国一の読書野郎※138

心にしみる読後感

 垣根涼介は好きな作家だ。ハードボイルドタッ「ワイルド・ソウル」や「ヒートアイランド」シリーズ、リストラ請負人を主人公にした「君たちに明日はない」など、広いウイングを持った作家だと思う。そんな垣根の新作が「月は怒らない」。これまでとは全く異なるタッチの作品に仕上がった。またまた、新境地を切り開いたようだ。

月は怒らない Book 月は怒らない

著者:垣根 涼介
販売元:集英社
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<口上>梶原33歳。仕事は多重債務者の借財の整理。謄本の代理人申請のために訪れた市役所の戸籍係の女を一目見た瞬間、声を失った。弘樹20歳。バーで女がチンピラに絡まれて目の前で転んだ。助け起こした瞬間、女の顔に釘付けになった。和田34歳。勤務先の交番の前の市役所に自転車で通う女。既婚者のくせに俺はいつもその女を探している――。化粧もしない。服も地味。美人でもないその女・恭子に3人の男たちは、どうしようもなく魅かれていく。一方恭子は男たちの求愛を受け、3人と付き合い始める。接点のない3人だが、それぞれに思う、恭子は不思議な女だ。決してモノを欲しがらない。故郷や家族のことは話さない。会っている時間以外のことは未知。でも魅かれる。理由は何だ、いったいこの女の過去には何があるのか……。3人の男たちの視点を通して、恭子というなぞの女の正体が焙り出されていく。人と人との繋がりの意味を問う著者渾身の挑戦作

<双子山評定> 孤独な魂が、救いを求めて引き寄せられていく先にあるものは何なのか。市役所の戸籍係・三谷恭子に惹かれていく3人の男たち。その特異な「四角関係」が、物語が進むに連れ微妙に軋みだし、壊れていく。

そして男たちは互いに接近し、交わり、離れていく。すべての中心には恭子がいる。

恭子は何ともミステリアスな存在である。マリアであり、菩薩である。そして、夜叉でもあるのかも知れぬ。

ラストは意外性あり。「こういうことなのか」と不意打ちを受けた。タイトルに大きな意味が隠れているとだけ言っておこう。

垣根はインタビューで「恋愛小説でもない」と言っているのだが、ある意味、現代的な恋愛小説であることは間違いないと思う。お勧めだ。

→☆☆☆☆

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