三国一の読書野郎※127
後味悪いミステリ
雫井脩介の「犯罪小説家」を読む。確かに、ラストまで予測不能のミステリなのだが、後味もまた、よろしくない。
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犯罪小説家 (双葉文庫) 著者:雫井 脩介 <口上>新進作家、待居涼司の出世作『凍て鶴』に映画化の話が持ち上がった。監督・脚本に選ばれた奇才・小野川充は独自の理論を展開し、かつて世間を騒がせた自殺系サイト「落花の会」を主宰していた木ノ瀬蓮美の“伝説の死”を映画に絡めようとする。一方、小野川に依頼されて蓮美の“伝説の死”の謎に迫り始めたライターの今泉知里は、事件の裏に待居と似た男の存在があると気づく。その企み、恐怖は予測不能。待望の文庫化。 <双子山評定>この作家の作品は、テレビに警察官を出演させる究極の劇場型犯罪を描いた「犯人に告ぐ」しか読んだことがない。あれはあれで、かなりスリリングだったと記憶する。 しかし、どうもこちらの作品はテンポが悪いなあ。語り口がもったりしているというか、なかなか、後を引くようにページターニングができないのだ。後半部分、「何が謎なのか」ということが明かされてくると、俄然、テンポ良くなるのだが・・・。 結局、「自殺系サイト」がキーポイントになっており、そこにおける「死」の描き方に共感できなければ、興味は半減してしまうミステリだと思う。少なくとも、私は共感できなかった。だから、後味の悪さを覚えたのである。 →☆☆★
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