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三国一の読書野郎※98

極めて真面目な私的文芸評論

 三輪太郎という人の「死という鏡 この30年の日本文芸を読む」を通読する。村上春樹「羊をめぐる冒険」から中村文則「掏摸」まで、1980年代から30年に至るスパンの小説を読み、ほぐしながら、人が小説を読む意味について考えていく試みである。

死という鏡 この30年の日本文芸を読む (講談社文庫) Book 死という鏡 この30年の日本文芸を読む (講談社文庫)

著者:三輪 太郎
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<口上>狂奔の1980年代から30年の小説は、みなが眼を背けてきたはずの、「死」にまみれていた―。まったく新しい視点で現代文学を読み解く、感動的なブックガイド。村上春樹「1Q84」、よしもとばなな「アムリタ」、小川洋子「博士の愛した数式」、綿矢りさ「蹴りたい背中」など、全58作品を解説し、巻末には村上春樹論も。文庫オリジナル。

<双子山評定>実に真面目に、現代小説と格闘しているな、というのが第一印象だ。自らの経歴をも、その読書経験の中に織り交ぜる、「私小説的手法」も珍しいか。それだけ、悩みつつ、文学に向かい合ってきた真摯さには頭が下がる思いはする。

しかし、新聞連載ゆえか、コンパクトすぎる。1作品当たり3㌻では、なかなか、語り尽くせるものではない。敢えて、その困難さに表現者として挑んだのであろうが、筆者も毎日新聞の担当者も連載中は苦労したのではあるまいか。

タイトルの通り、「死」を契機にして現代文学を通観する。そこに自らの父の現実の死を重ね合わせる。非常に難しい試みであり、お世辞にも、それがうまくいっているとは言えない。隔靴掻痒の感が否めない。

しかし、繰り返すが、真面目な評論である。その意気込みは評価する。

→☆☆★

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