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三国一の読書野郎※82

これはまじめに書いているね

 馳星周「煉獄の使徒 上下」を読み終える。明らかに、オウム真理教をベースにしたサスペンスだ。この手の長編だと、必ず後半で物語が破綻を来す馳星周だが、これは何とか持ちこたえた。かなりの力作といってよい。

煉獄の使徒〈上〉 Book 煉獄の使徒〈上〉

著者:馳 星周
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<口上>悪徳刑事には美点があった。権力に群がる蟻どもを冷静沈着に操るスキル。しかし欠点もあった。その快楽に溺れること。教団は「白い通貨」を果てしなく産み権力者は威厳を繕いつつ美酒にひざまずいた。その酒は原罪の匂いがした。

革命を志したが組織に裏切られ、いまではインチキ新興宗教の侍従長となった弁護士と、警察上層部に陥れられ、組織への復讐を誓う公安刑事の2人からの視点で綴られる悪のタペストリーだ。そこに純真な動機から教団に入った若者が絡み、さらに複雑な文様を織っていく。

教団に捜査の手を伸ばさない見返りに、内部で作られる覚醒剤などを横流しし、巨大な利益を得る。その金を、警察官僚出身の与党代議士に回す。悪のサイクルが、警察と教団の間を循環する。

サリン製造やマシンガン作り、拉致監禁など、オウム真理教事件で起きたそのままの事象が取り上げられている。暴走する教祖(グル)周辺と、暴走を押さえようとする侍従長周辺のせめぎ合いは、まさに、オウム真理教を描いたノンフィクションのようである。

暗く重い読後感を残す。馳星周、かなり真剣になって、新境地を開こうと思って執筆したのではないか? しかし週刊新潮に2001年ごろ、連載されていたのに、単行本になったのは2009年。何かあったのか? これだけ、刊行時期がずれると、意欲が空回りしてしまうよな。

→☆☆☆★

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