三国一のお笑い野郎③
寄席で鍛えられた噺家は違うね、どうも
昨23日夜、札幌市中央区の道新ホールで開かれた柳亭市馬の独演会に行ってきた。素晴らしい出来だった。やはり、テレビ芸人とは違う。寄席で鍛えられてきた噺家である。感心した。
大分県出身の49歳。柳家小さん門下に入って30年だってさ。小三治とは兄弟弟子なんだね。東京に勤務していたころ、末広当たりで何回か、聞いたことがあるように思うのだが、それほど記憶には残っていないのだったが、精進したんだろうなあ。
まずは「長屋の花見」。いいねえ、過不足ないよ、くすぐりも。何しろ、声がいいから、花見のにぎやかな気分も醸し出されるというものだ。誰でも知ってる中身を、それでも笑いを取りながら、楽しくやる。やさしいようで難しいことだ。こういうのを、芸という。様子もよろしい。ちょうど、脂ののった大工の棟梁のようだ。
「御神酒徳利」は最高だった。慌て者の番頭とかみさん、主人、旅の宿などで出会う人々。それぞれの人物像が立ち上がる。これぞ、芸である。実に丹精な芸である。
柳家らしい、きちんとした、楷書の芸とでもいうのか。いやあ、感服しました。こういうのを、江戸前の落語って言うんだよ。客席の隙間が、かわいそうだったな。もったいないことをするんじゃありませんよ、まったく。
最初に登場した弟子の市助は弟子入りしてまだ半年。札幌市東区出身の19歳だ。「転失気」をかけたのだが、入門半年の割にはきちんと上下も切れており、口舌もなかなかだった。「がんばれよ」と激励し、「でも小さくまとまっちゃいけないよ」と言っておくよ。
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