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三国一の読書野郎※81

田沼時代をどう見るか

 近代日本の原点をどこに見いだすか。「賄賂政治家」として括られてしまう田沼意次に光を当て、再評価する試みが鈴木由紀子「開国前夜」である。

開国前夜―田沼時代の輝き (新潮新書) Book 開国前夜―田沼時代の輝き (新潮新書)

著者:鈴木 由紀子
販売元:新潮社
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<口上>田沼意次といえば、賄賂を好んだ金権政治家と見られがちだが、彼の施政には、旧来の格式にとらわれない発想の斬新さと先見性があった。田沼時代は、この時代がなければ、のちの明治維新はなかったと思えるほど、諸外国とくらべても遜色のない経済の活況と豊饒な文化を生みだした時代なのである。本書では、平賀源内や杉田玄白、池大雅など、開国前夜ともいうべき時代を生きた先駆者たちを通して田沼時代を俯瞰する。

歴史は常に改革派と守旧派の対立により進む。意次の重商主義的革新性は、寛政の改革で知られる松平定信の許せるところではなかった。「改革」を標榜しながらも、信定はがちがちの体制派であるからね。

意次がその地位にあり続けたら、蝦夷地開発が進み、日露関係も何かしらの進展があったとみることもできる。いわば、現在の北方領土問題の原点も、田沼時代にあるわけだ。

平賀源内の博物学、杉田玄白の蘭学などなど、新進気鋭の学者たちが新しい学問を学べる喜びにうちふるえる様子は感動的だ。その向学心が、日本人の持ち味だ。

池大雅の嫁の玉爛や、滝沢馬琴が絶賛した仙台の女流文筆家・只野真葛(「赤蝦夷風説考」を書いた工藤平助の長女)など、この時代の女性たちは決して、弱々しく守られるだけの存在ではなく、自立し、主張していたことも、この書で初めて知った。

しかしまあ、専門の歴史家ではないようで。書き方にぶれがある。資料的に裏付けられていることと、そうではないものとの腑分けがもう少し、しっかりさせないといけない。

→☆☆☆★

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