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三国一の読書野郎※73

うむ、これは良い小説だ

 でも何となく、松尾スズキに後ろ髪を引かれる思いがして「クワイエットルームにようこそ」を読んでみたのである。これは面白い。良い小説であると思う。

クワイエットルームにようこそ (文春文庫) Book クワイエットルームにようこそ (文春文庫)

著者:松尾 スズキ
販売元:文藝春秋
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恋人との大げんかの果てに、薬の過剰摂取(オーバードーズ)で視線を漂い、精神病院の閉鎖病とに担ぎ込まれた女性・明日香が主人公。そこで出会う過食や拒食、虚言癖、自傷行為などさまざまな事情を抱えた患者と出会ううちに、再生への希望を見いだしていく。

ベースは「喜劇」なのである。しかし、それは「悲劇」に裏打ちされたものなのである。悩む人間の卑小さ、そして勇気を描き、読ませる小説である。

多分に作家もオーバードーズの経験があるのではないか。その苦しみの描写には緊迫感がある。さらに、精神病棟もかなり、取材したのではないか。そのリアリティはたいしたものだ。

2005年7月の「文學界」に連載され、そのまま、芥川賞候補になって注目された。ちなみに、その時の受賞作は「蛇にピアス」でした。

こういう路線ならわかるのだよ、松尾スズキ。弾むような文章で、深刻なことを書くって難しいことだが、この作家はそれをなしえている。たいしたもんだ。でも、その方向性が一歩間違えると、わけのわからない何かになってしまうのだな。

→☆☆☆★

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