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三国一の読書野郎※66

宮部みゆきの江戸怪談もの

 宮部みゆきの最新刊「ばんば憑き」を読む。江戸を舞台にした怪奇譚6編を収める、宮部みゆき得意の世界であるな。

ばんば憑き Book ばんば憑き

著者:宮部 みゆき
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
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表題作は湯治旅の途中の若夫婦が、雨で足止めになった宿で老女と相部屋になる。不機嫌な妻をよそに婿養子である夫に老女が語る50年前の忌まわしい出来事を描く。

「理」で落ちる話はない。怪異を怪異そのものとして、受け止める作風である。江戸には、怪異が存在したのだ、という断定がそこにある。

しかし、そうなのだろうかと私などは思うのである。超自然的な怪異はぎりぎりのところで出すべきではないのか。何とか、そこに「理」を出して、読者を納得させるべきではないのか、と。結局、そこのところで、「なんでもあり」の世界が現出してしまうのだ。

そういう意味で、表題作は独特の暗さが印象に残る。善意の中にふと現れる悪意が、背筋を寒くさせる。

宮部みゆき、年齢を経て、少しく意地が悪くなってきたのだろう。そう、そfれでよい。そこに作家的成長がある。

幼児虐待をテーマにした作品など、宮部の現代社会に対する怒りが露わな作品もある。だからこそ、その怒りを純化するためにも、一定の「理」が必要とされると思うのだが、いかがだろうか。

⇒☆☆☆★

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