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三国一の読書野郎※38

なかなか心に沁みてくる

 桂望実「嫌な女」を通読。初めはなかなか乗り切れなかったが、後半に進むに従ってドライブ感が増す。読了後は、なかなかの感動も伴う小説であった。

嫌な女 Book 嫌な女

著者:桂 望実
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夏子と徹子は同い年で、遠縁の関係にある。夏子は生まれついての詐欺師体質。男を手玉にとって、金を貢がせることを得意にしている。一方の徹子は弁護士。堅い性格で、なかなか、人とうち解けることができない。

この夏子、男とトラブルになると、すぐに徹子に頼ってくる。手玉に取った男から金をせしめるものの、ツメが甘いから、トラブルになってしまうのだ。物語は毎回、夏子が起こしたトラブル解決のために働く徹子を軸に描かれる。短篇連作形式である。

徹子が弁護士になったばかりのころから、5年、10年、20年と歳月を経ながら、物語は続く。だから、徹子の弁護士としての成長物語としても読め、それは弁護士という仕事の意義に、徹子自身が気づいていく過程でもある。遺言書など、人の死に関わることも多い弁護士という仕事について、徹子がだんだんと理解を深めていく過程が面白い。

さらに、歳月を経ていくから、人は老い、死んでいく。それが人生だ。ほどよい諦観と哀しみさえ漂う小説であった。

「嫌な女」は決して、嫌な女ではなかった、ということである。

→☆☆☆★

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