三国一の読書野郎※54
あらゆる爆撃は非人道的である
「空の戦争史」を読む。飛行機の発明後すぐはじまった空爆が、戦場を一変させ、 飛行船での爆弾投下から第二次大戦下の絨毯爆撃、原爆投下まで、 市民を戦火に巻き込む過程を描く一冊である。
空の戦争史 (講談社現代新書) 著者:田中 利幸 科学技術の発展は、当然、戦争において最もその効果を発現させるのである。飛行機という技術を、戦争分野に生かさないわけがないのである。 しかし、非戦闘員を巻きこむ、都市空爆という思想は、第一次大戦後に純化され、各国がその研究に励むことになる。その行き着いた先が原爆投下というわけだ。 「空襲により、その国の国民の士気が落ち、厭戦気分が広がる。従って、長期的に見れば空襲は人道的な戦争の手段である」という理論武装にも驚かされる。 しかし、組織化された都市への戦略爆撃の走りは、旧日本軍による重慶爆撃とされる。日本は自らが行った軍事行動のツケを、結果的に背負わされたと言うことか。 さらに、1945年2月の英・米軍によるドイツ・ドレスデン大空襲は、ソ連赤軍対し、戦略爆撃のすごみを示威することにあったという指定が興味深かった。確かに赤軍は当時、戦略爆撃軍を所有していなかった。 →☆☆☆ |
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