三国一の読書野郎※45
これもまた、コクのない・・・
坂木司「短劇」を読了。26のショートストーリーを収録した作品集である。
短劇 (光文社文庫) 著者:坂木 司 「ブラックな笑いと鮮やかなオチ」というのが惹句なのだが、全然、鮮やかじゃないよ、というのが、読後感だね。この手のショート・ショートはよほどの手練れじゃないと書けないって。 この作家は創元推理文庫から出ている、「青空の卵」など、ひきこもり探偵を主人公にしたシリーズを読んだことがある。地味な作風の作家であるという印象だった。 この作品集も一言でいえば「地味」だな。弾けたところがない。どのストーリーもこじつけ合わせに終始してしまっているという印象が強い。もっと爆発力のある、致死性の高い作品を書いてもらいたいものだ。全然、ブラックじゃないし。 読後、「あ、嫌なものを読んじゃったなあ」と後悔するぐらいの作品を望みたい。そんな思いを抱いても、読者は決して、作家を恨んだりしないから。 スープにはコクがなく、麺ものびたラーメンのイメージです。 ⇒☆☆★ |
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