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三国一の読書野郎⑮

盗むことから始まる名文

 「名文どろぼう」を読み終える。読売新聞朝刊コラム「編集手帳」筆者によるエッセーだ。

名文どろぼう (文春新書) Book 名文どろぼう (文春新書)

著者:竹内 政明
販売元:文藝春秋
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 名文は「盗むこと」から始まる。その通りだと思う。古今東西の無限の名文の中から自分のものとして咀嚼し、自らの表現の中に生かしていくこと。それは、極めて難しい行為である。

 なぜなら、読むことと書くことの両輪をうまく回さなければならないからだ。しかし、竹内はその難しい行為を、毎日、新聞の一面という場所で展開しているのだから、たいしたものだ。そんな著者のいわば「ネタ帳」だから、面白くないわけがないのだ。

 引用だらけのほんである。そこがよい。著者の読書量のすごさを裏付けると同時に、盗まれた名文が身にしみてくるのである。

 「琴になり下駄になるのも桐の運」江戸川柳

 「編集手帳」はほかの新聞の一面コラムに比べ、レベルは高い。「天声人語」よりも。「卓上四季」もいわずもがな。それでいて、字数は少ないはずだ。短いぴりっとした文章を書く。それは、私の理想でもある。

 著者は北大文学部宗教学科卒だって。意外な人材を輩出しているのだね、北大も。

→☆☆☆★

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