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三国一の読書野郎⑲

苦しみの中の光を求めて

 人はなぜ本を読むのか。読書論における根本的な問題設定である。岡敦「強く生きるために読む古典」は、この問題にある程度の回答を与えてくれるかもしれない。

強く生きるために読む古典 (集英社新書 575C) Book 強く生きるために読む古典 (集英社新書 575C)

著者:岡 敦
販売元:集英社
発売日:2011/01/14
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著者がどういう人であるかは知らない。裏表紙のプロフィールによると、1959年生まれ。イラストレーターとして活躍し、現在は文筆家、とある。

しかし、かなり紆余曲折した人生を送ってきたようである。高校時代には新左翼の活動をして、官憲に捕まったこともあるとか。また、父親の会社が倒産し、借金取りから逃れるために飯場暮らしをしたこともあるということが本書でも明かされている。

「正しい理解を目指すのでなく、自分が生き延びるために本を読む」著者の基本スタンスである。取り上げられているのは、プルースト「失われた時を求めて」、ヘーゲル「小論理学」、法然「選択本願念仏集」など9冊。どれも、重厚長大、難解とされる作品群である。

しかし、理解するために読む読書ではないのだ。自らが世界と対峙するため、経験するため、直感するため、もがくためになされる読書なのだ。

自らの周りの世界とどのように折り合いをつけるのか。この問題を解決する補助線としての古典読書。勇気ある、清々しい試みであると思った。

著者は自らを「できそこない」と規定する。本は武器だ。「できそこない」の自分が世界と切り結ぶための、武器だ。

切実なる一冊である。

⇒☆☆☆★

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