三国一の読書野郎⑱
ホリプロ一代記
和田アキ子や山口百恵を抱えた芸能プロダクション・ホリプロを創業した堀威夫の人生を描いた村松友視の「ギターとたくあん」を読破。面白いんだけどね。
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ギターとたくあん ─堀威夫流 不良の粋脈─ 著者:村松 友視 堀は昭和7年生まれ。戦後、明治大学在学中からハワイアンバンドのギタリストを務める。卒業後も音楽活動を続けることになるが、ナベプロとの軋轢から、マネジャーに専念し、芸能プロダクションを創る。 小坂一也ら、売れっ子を抱えるが、事務所内のクーデターにあって追放されてしまい、「ホリプロ」設立に至る。 しかし、スパイダースや和田アキ子、森昌子、山口百恵、石川さゆり、榊原郁恵などなど、次から次へとスターを育てる。戦後芸能史の一断面を観ているようで、読んでいて楽しい。あ、そうだ。井上陽水もホリプロだったんだって。 男くさい俳優を求めてチャールズ・ブロンソンに会いにアメリカまで飛び、結局、「マンダム」のヒットCMを生むに至るなど(CM監督は大林宣彦!)、行動力がけた外れだ。それでいて、芸能プロダクションの社会的地位を高めようと苦渋する姿もあり、硬軟合わせたパーソナリティーが魅力的である。 しかし、村松の筆致は軽すぎる。資料的な信頼性もいまひとつのようだ。これは、プロダクション内のクーデターなどで、堀にしか話を聞いていないからで、それでは客観的な叙述はできないわな。 でもまあ、「堀の一代記」というカッコ付きで読むならそれもありかとも思うが。 堀は78歳になる現在でもたくあんを毎季、130㌔も自分で漬けるそうだ。 ⇒☆☆☆ |
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