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三国一の読書野郎⑯

鉄道は奥深い

 「昭和天皇」「大正天皇」などの著書がある原武史は大の鉄道ファンでもあり、関連する著書もある。原の「『鉄学』概論」は、日本の近代化と鉄道の歴史をコンパクトにまとめつつも、奥深い一冊である。

「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫) Book 「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫)

著者:原 武史
販売元:新潮社
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内田百けん、阿川弘之、宮脇俊三と続く鉄道紀行文学の系譜をたどったと思えば、明治天皇が始めたお召し列車による全国行啓の意味づけを考える。さらには小林一三と五島慶太の違いをにらみつつ、阪急沿線と東急沿線の異なるところを凝視する。まさに、天皇制を基軸に、日本近現代史を考察する著者の独壇場である。

都電が廃止され、地下鉄に取って代わったことにより、民衆の皇室への眼差しが変容したとする章はとりわけ、スリリングであった。

 国鉄時代の1973年、順法闘争による列車遅延が原因で起きた「上尾事件」。世論はなぜ、サラリーマンの反乱に理解を示したのか? 団地世代の勃興と衰退がそこに浮き彫りになってくる。

鉄道を媒介にしながら、時間(歴史)を輪切りにしていく。何とも知的刺激に満ちた学問であると思う、「鉄学」とは。

→☆☆☆★

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