三国一の読書野郎※31
なかなか面白い
北村薫、宮部みゆき編の「とっておき名短篇」を読む。ちくま文庫から出ている名短篇アンソロジーシリーズの最新刊だ。
とっておき名短篇 (ちくま文庫) 販売元:筑摩書房
穂村弘から松本清張、川上弘美、深沢七郎、大岡昇平など幅広い選択だ。 |
「本当に、うまい」と思わせる短篇ぞろいで、楽しく読み通すことができる。アマゾンのレビューで小谷野敦が以下のように絶賛していたので買い求めた。
「二人の編者による名短編アンソロジーだが、これには飯田茂実の『一文小説集』が収められている。一文で小説を構成した掌編中の掌編が108あるのだがこれが実にいい。これだけのためにでも買う価値あり、である」
確かに飯田の一文小説はすごい。散文詩のような小説群である。想像力を喚起する力を持っている。
深沢の語り口のうまさ、戸坂康二の意地悪さ、北杜夫の腕力、川上の跳躍力などなど、作家たちの特色は短篇に如実に現れる。北村薫いわく、「しかし、よく書いたよね、こんなものを…」。まさに、よく書いたものである。
しかし、宮部みゆきは小説をあまた書きながら、そんなにも読書ができるのだろうか。テレビゲームもやっているようだし。
→☆☆☆★
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