三国一の読書野郎※24
ちょいと薄味か
東野圭吾の「ダイイング・アイ」を読了する。先に読んだ「あの頃の誰か」と同時に光文社文庫から刊行された。
ダイイング・アイ (光文社文庫 ひ 6-11) 著者:東野 圭吾 |
バーテンダーの雨村はある夜、何者かに襲われ、頭に重傷を負う。犯人はかつて、雨村が興した交通事故で妻を亡くしたマネキン人形製作者だったが、自殺してしまう。雨村は頭の傷が原因で事故の記憶を喪失。事故の記憶をたどろうとすると、さまざまな障害が彼に襲いかかる。やがて、現れた謎の女に雨村は強く惹かれていく。
交通事故、記憶喪失、マネキン人形の三題噺みたいなミステリー。2007年刊行本の文庫化だが、大して騒がれず、私の記憶にも残っていないから、たいした作品ではないのだろう。確かに、薄味。最後の方はホラー小説のようになってしまっているし。
交通事故被害者の悲しみを描くというテーマが、雨村の造形が「ちょい悪」けいなので台無しになっている。挿入されるエロシーンも過剰気味。あちこちに、サービスしすぎて、ちょっと収拾がつかなくなってしまった感がある。
文庫化が遅い「わけあり物件」にはそれなりの事情があるわけね。
→☆☆★
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