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三国一の読書野郎⑥

ウイグルの大地にて

 残り359冊だっ! 頑張れっ! ってわけで、正月休みはとろとろと本を読む毎日が続いた。近藤史恵の「砂漠の悪魔」、何だか不思議な感触の小説でした。

砂漠の悪魔 Book 砂漠の悪魔

著者:近藤 史恵
販売元:講談社
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 ささいな悪意から、中学時代からの友人を自殺に追いこんでしまった大学生の広太。罪の意識に苛まされ、恋人とも離別する。さらには自殺の原因をもとに暴力団から脅迫され、犯罪に荷担することになる。しかし、北京で留学生の鵜野と出会い、広大な中国西部を旅することになる。広太の生きる意味を再派遣する旅が続く。

 前半のオフビート気味な青春小説的な展開から一転、中盤からは中国を舞台にしたハードボイルドな展開に変わるのが印象的。ラスト近く、タイトル「砂漠の悪魔」の登場がまた、すさまじい。ウイグル民族とのかかわり、広大な大地、スケール感に充ちたミステリーである。

 ウイグル問題を絡めながら、青年が成長していく過程を描く、面白さはある。文章もメリハリが効いていて、読ませる。

 ただ、主人公が中国を放浪しなければならなくなる根本的な動機への迫り方が薄いような気がするが、いかがか。「自殺させるほどの悪意」に迫るなら、もっとそちらを追求すべきだったのではないか。中国を舞台にしたストーリーは、もっと別な設定で展開できたのではないかという思いが残る。

 「砂漠の悪魔」が凄まじいだけに、その辺がストーリーテリング的にどうなのか。

→☆☆☆

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