読む快楽2010※97
勉強になります
イギリス経済・産業史の泰斗・川北稔の「イギリス近代史講義」を読む。これも、新書版ながら中味は濃い。勉強になりました。
イギリス近代史講義 (講談社現代新書) 著者:川北 稔 |
イギリスは核家族化が早くから進んだ社会であり、それゆえ、「救貧」の思想が発達したとか、産業革命がイギリスから始まったのは確かではあるが、その後はアメリカなどに工業においては追い抜かれ、むしろ金融資本主義の発達によって隆盛を迎えたなどなど、目からウロコの講義である。
基本となっているのはウォーラーステインの世界システム論。国家・地域は単独では成り立たず、世界的なシステムの中に組み込まれながら歴史的に発展していくというような考え方だ。植民地経営がイギリス社会に与えた影響など、示唆に富む論理がここから帰結される。
そのイギリス没落論⇒陽はまた昇る論を、現代日本にいかに適合させていくか。歴史を学ぶ意義とは、まさにそこにあるのだ。
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