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読む快楽2010※82

天才の孤独を知る

 「黒澤明VSハリウッド」を通読する。ハリウッド映画「トラ、トラ、トラ」製作時における黒澤とハリウッド・20世紀フォックスの対立をたどるドキュメント。極めてスリリング。天皇とも称された天才の徹底的な孤独さと、ハリウッドの資本主義システムの対立が浮き彫りになっていて面白い。

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著者:田草川 弘
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 黒澤の当初の意気ごみは凄い。しかし、その理想は現実に打ち負かされていく。「黒澤組」など、その当時には存在せず、現場スタッフ(東映京都!)は、黒澤のやり方を「奇行」とさえみなす。

 20世紀フォックスのプロデューサーも懸命に黒澤を支えるが、ハリウッド式合理主義と黒澤的完璧主義が相入れるわけもない。クランクイン後、両者の溝は深まっていく。

 傲岸なる黒澤は傲岸であることによってしか、自らを保てなかった。精神的も疲弊し、ついには、監督の座から降りることを余儀なくされる。

 日米の映画作りに対する認識の違い、さらには撮影が行われていた1968年段階で、映画はすでに黒澤の手には馴染まない「異物」になっていたのではないかという気もする。

 当時の東映京都はやくざ映画の撮影が盛んだった。やくざがうろつく撮影所の雰囲気を黒澤は嫌悪したという。

⇒☆☆☆☆。「映画の変容」は確かにあると思います。

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