読む快楽2010※89
いやはや、すごい小説だ
ドン・ウィンズロウの「フランキー・マシーンの冬」。これはいい。本当にいい。もうすぐ、発表される季節だが、今年のベスト10の上位入賞確実作品だ。本当に、今年は翻訳ミステリの質が高いわ。
フランキー・マシーンの冬 上 (角川文庫) 著者:ドン・ウィンズロウ 元マフィアのフランク・マシアーノ。今ではすっかり足を洗ってサンディエゴの釣り餌屋のおやじとして地元住民からも親しまれている。しかし、ある勢力がフランクを消そうと動き出す。過去のフランキーの何かが、邪魔になったからだ。 フランキー、65歳ぐらいの設定だが、ものすごくカッコいいぜ。凄い腕なのに自慢せず、地味に餌屋と魚屋を営み、サーフィンを楽しみ、美人の愛人はいるけども、元妻から流しが詰まったと言われれば、飛んで行って修理する。・・・そういう人に私はなりたい。 誰がフランキーを狙っているのかというサスペンス的要素と、フランキーの過去・足跡がパラレルに語られ、それが非常に効果的なのだ。上下巻に分かれてはいるが、決して長くない。読み進めていくうちに、終わりが近づき、「本当にこれで終わるのかよ」とハラハラさせるほどだ。 だが、ウィンズロウ、びしり、と決めてくれます。凄い作家になったよ。 最後まで、本当の最後まで目を離せない小説。珍しいよ、こんなの。 ⇒☆☆☆☆★。参りました。 |
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