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読む快楽2010※80

何とも暗くて。読後感もなんというか

 貫井徳郎の鳴り物入りの最新作「灰色の虹」。読みました。暗いな。何の、救いもない。こんなものが小説であっていいのか。これは貶しているわけではないよ。でも、こんな救いのない物語に、何の意味もないじゃん。

灰色の虹 Book 灰色の虹

著者:貫井 徳郎
販売元:新潮社
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冤罪の果て、復讐劇と最終的結末。凄いもんです。ここまでグロテスクに描けるなんて。

だから、ものすごく引っ張れれる力はあるわけですよ。この作家は。

ここまでの救いのなさ。読んでて嫌になるよ。でも、それが作者の狙いなのかもしれないね。

この貫井という作家の通俗性はどうしようもない。ならば、もっと俗に行け、俗に徹しろとも思う

こういう風に書くと冤罪の恐怖を表現しきれなくなる危険性があるんだけど、あまりに、登場人物がカリカチュアライズされていて、リアリティーに欠けてしまうのだよな。

悲しみはこもっているけど・・・。何だか、もう一歩。カタルシスがまったくないから、点数は低くなる。

⇒☆☆☆★。しかし、憎まずにはいられない、人間の哀しみ。

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