らくごん2010③
昇太、ちょっと恥ずかしい
札幌市の西の方に、生涯学習センターの「ちえりあ」という施設がある。ここと落語芸術協会が組んで、「ちえりあ寄席」なるイベントを始めた。2006年から始め、今年は金曜から日曜までやる。早速、金曜夜の回に行ってみました。
寄席の雰囲気を出すため、多くの噺家、色ものが出ます。
6時過ぎに行ったら前座が「金玉がどうした」というくだらねえ噺をやっていた。次に三遊亭遊馬が「酢豆腐」。滑舌はよろしいが、ちょっとくどい芸風だね。
中入り後は大神楽の鏡味初音。まあ、まだ未熟なんだろうね。ふらはあるけど。
続いて三遊亭笑遊。この人、初めてで、最初のうちは「何だかいやな芸だね」と思っていたのだが、「片棒」はなかなか凄かった。狂気じみてくるのだ。これはこれで、ひとつの芸だ。
春風亭柳好は「看板の一」。なかなかの名跡なんだから、この程度で満足しないように。
続いて春風亭昇太。忙しいからなのか、この日しか出ません。だから期待していたのですが、珍しや、ネタかぶりをやってしまいました。
ふつう、後から高座に上がる噺家は、ネタ帳を見て、その日にかけられた噺とダブらないようにします。ところが昇太、マクラの後に「ちりとてちん」をやろうとして、楽屋から出てきた前座にネタ帳を示されることに・・・。「ちりとてちん」は、三遊亭の「素豆腐」と同じネタですから、かけてはいけないのです。
まあ、めったにないミスなのでしょうが、昇太、ちょっと恥ずかしいぜ。あわてて「権助魚」をかけていました。うまいけどね。
膝代わりは東京ボーイズ。年季の入ったボーイズ芸です。まさに寄席の雰囲気。しかも、浅草演芸ホールのノリ。間違っても、すかし系の鈴本じゃない。
トリは橘ノ圓師匠の「鹿政談」。まあ、こんなものでしょう。
落語芸術協会は地味な芸人が多い。その中で、昇太とかナイツとか、人気芸人が出てきたことは歓迎すべきだ。札幌などの地方都市では寄席の雰囲気を味わうことは難しいからこういう試みは歓迎したい。三遊亭笑遊なんて芸人、こういう機会でもなければ、そのすごみがわからなかったもんな。貴重な機会だよ、本当に。
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